診断方法
症状
発生した周囲の脳を圧排して神経症状を出す。好発部位の松果体では眼球運動障害や合併する水頭症の症状を呈する。脊柱管内では発生した部位の脊髄障害を呈する。
検査
- 画像検査:頭蓋内では正中部に発生しやすく、好発部位は松果体部なので水頭症を合併しやすい。内部構造は三胚葉性の組織に由来して脂肪、石灰化、骨、出血など多彩である。
- 病理組織学的検査では、三胚葉に由来する三胚葉に由来する種々の組織から構成される。悪性所見を認めれば未熟奇形腫、認めなければ成熟奇形腫と診断する。
- 胚細胞系腫瘍に分類されるが、腫瘍マーカー(絨毛性ゴナドトロピンhuman chorionic gonadotropin: HCG、αフェトプロテイン)は上昇しない。
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。生検が困難などの理由で行わない場合、症状、画像検査、腫瘍マーカーの上昇の有無から診断する場合がある。
当該事業における対象基準
頭蓋内及び脊柱管内が原発であり、脳(脊髄)腫瘍であることを確認した場合。病理診断が困難である場合であっても対象とする。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会、日本小児神経外科学会