診断方法
症状
圧迫症状としては、頭痛、下垂体分泌ホルモンの欠損症状や分泌過剰の症状あるいは視交差部の圧迫による視覚障害を呈する。下垂体後葉の圧迫による尿崩症は非常にきたしにくい。腫瘍内出血による急激なモルモン欠損症状や視覚障害が発生することがある。ホルモン産生性腫瘍では腫瘍自体は直径が10mmより小さいmicroademonaでもホルモン症状を呈する。過剰分泌されるホルモンによりそれぞれ特徴的な症状がみられる。
検査
- 血中ホルモン値やホルモン負荷検査で、下垂体の内分泌機能や腺腫が機能性腺腫かどうかの評価を行う。
- 画像所見では、腫瘍が大きいとトルコ鞍の拡大を呈し、著明な造影効果を受け、周囲の海綿静脈洞への浸潤する所見を呈するものがある。microademomaでは周囲よりも遅れて造影されるので、腫瘍の存在部位を診断できることがある。
- 病理組織学的検査では、下垂体の前葉細胞の単調な増殖を認め、腫瘍細胞の異形性、核分裂像は乏しい。腫瘍細胞内に産生するホルモンが免疫染色で同定できる。
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。生検が困難などの理由で行わない場合、症状と画像検査所、ホルモン検査所見などから診断する場合がある。
当該事業における対象基準
頭蓋内及び脊柱管内が原発であり、脳(脊髄)腫瘍であることを確認した場合。病理診断が困難である場合であっても対象とする。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会、日本小児神経外科学会