診断方法
主症状
発生部位に応じた症状を呈するが、多くは腫瘤触知やその圧迫症状、または腫瘍破裂による症状などである。具体的には腹部腫瘤や膨隆、精巣腫大、仙尾部腫瘤、腹痛、疝痛、縦隔腫瘤の場合は気道圧迫症状、卵巣腫瘍の場合は茎捻転による症状もある。
検査所見
- 画像診断では、複数の組織型が混在するため、嚢胞性成分・充実性成分が混在するものなど多彩な所見を呈する。
- 血清AFP値やβ-hCG値が上昇する症例がある。
- 腫瘍構成成分として、未分化胚細胞腫/胚細胞腫/セミノーマ、卵黄嚢腫瘍、奇形腫、胎芽性癌、多胎芽腫、絨毛癌のうち2種以上の組織型が同一組織内にみられる胚細胞腫瘍である。
肉眼像はそれぞれの腫瘍構成成分を反映して、多彩な像を示す。未分化胚細胞腫が優位な腫瘍では灰白色髄様を呈し、卵黄嚢腫瘍部は粘稠性で軟らかく、絨毛癌部では出血を伴う。
その他の徴候
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。
参考文献
- 卵巣腫瘍病理アトラス 石倉浩、手島伸一編 文光堂 2004年 pp.243-245
- 小児腫瘍組織分類図譜第5篇、小児胚細胞腫瘍群腫瘍(日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会 編)、金原出版、東京、1999 pp.11-12、新小児がんの診断と治療 別所文雄他 診断と治療社
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会