診断方法
主症状
発生部位に応じた症状を呈するが、多くは腫瘤触知やその圧迫症状、または腫瘍破裂による症状などである。具体的には腹部腫瘤や膨隆、精巣腫大、仙尾部腫瘤、腹痛、疝痛、縦隔腫瘤の場合は気道圧迫症状、卵巣腫瘍の場合は茎捻転による症状もある。
検査所見
- 画像診断では、特異的な所見はないが、単一の組織型であれば均質な充実性腫瘍の像を呈することが多い。遠隔転移をきたすこともある。
- 血清β-hCG値が上昇する症例が多い。
- 肉眼的には割面は灰白色から暗赤色で脆く、大小の出血・壊死を伴う。組織学的には大きな丸い単核のcytotrophoblast(Langhans型栄養膜細胞)の集団を、多核で暗く広い胞体を有するsyncytiotrophoblast(合胞体型栄養膜細胞)が囲んでいる構造をとることが多い。腫瘍胞巣の周囲は直接血液と接し、洞を形成している。結合織は乏しい。免疫組織化学的に主にsyncytiotrophoblastがhCGに陽性を示す。
その他の徴候
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。
参考文献
- 卵巣腫瘍病理アトラス 石倉浩、手島伸一編 文光堂、東京、2004 pp.240-241
- 新小児がんの診断と治療 別所文雄他 診断と治療社
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会