診断方法
主症状
腹部腫瘤、腹部膨満、腹痛など。ときに不明熱や嘔吐などの消化器症状、稀に腫瘍破裂による急性腹症や出血性ショックを呈することがある。学童期以降に発生することが多く、肝芽腫に比べ発症年齢が高い。
検査所見
- 画像診断では、肝に発生する腫瘍で多くは巨大な腫瘍を呈する。肝静脈から右心房にいたる経路に発育することがある。肝内転移、肺転移を有することもある。
- 腫瘍マーカーとしては、血中アルファフェトプロテイン(AFP)の上昇がみられる。β‐hCG値が上昇することもある。
- 病理組織学的検査で、成人の肝細胞癌とほぼ同様の特徴を有する。ただし、素地に肝硬変を伴う頻度は成人に比し少ない。
その他の徴候
B型肝炎ウイルス感染が危険因子であることが知られている。他にチロシン血症、胆道閉鎖症、新生児肝炎、α1-アンチトリプシン欠損症、1型糖原病、Fanconi貧血、Wilson病、長期の中心静脈栄養による肝障害などの合併例が報告されている。
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。肝芽腫に比し頻度が低く画像上鑑別が難しいため、組織学的診断が必要である。
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会