診断の手引き

  1. 悪性新生物
  2. 大分類: 白血病
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急性単球性白血病

きゅうせいたんきゅうせいはっけつびょう

Acute megakaryoblastic leukaemia

告示

番号:75

疾病名:急性単球性白血病

診断方法

症状

白血病においては特異的な症状はなく、不特定の症状が長引くことが疾患を疑う契機になる。比較的多い症状は発熱、疼痛(骨痛)、リンパ節腫大、易出血性、倦怠感、頭痛、精巣腫大、などである。

診断

  1. 急性単球性白血病(FAB分類: M5)は、単球系細胞が骨髄有核細胞の80%以上の場合に診断でき、未分化型(M5a/急性単芽球性白血病)と分化型(M5b/急性単球性白血病)に分類される。単芽球が全単球の80%以上ならM5a、80%未満ならM5bとなる。M5aの単芽球は大型で好塩基性である。ペルオキシダーゼ染色は半数例で陽性となり、非特異的エステラーゼは90%以上で陽性となる。また、血清・尿中リゾチームは高値である。
  2. t(8;21)(q22;q22)/ RUNX1-RUNX1T1、t(15;17)(q22;q12)/ PML-RARA、inv(16)(p13.1q22)あるいはt(16;16)(p13.1;q22)/ CBFB-MYH11の染色体異常がクローナルに認められた場合は、芽球の比率にかかわらずAMLとする。ダウン症に伴う急性巨核芽球性白血病や一過性骨髄異常増殖症(TAM)の場合は、21トリソミーの他、GATA-1遺伝子変異を高率に認める。非ダウン症の乳児例では、t(1;22)(p13;q13)/ RBM15-MKL1が検出されることが多い。
  3. 骨髄肉腫(Myeloid sarcoma):骨髄以外の部位に骨髄芽球により形成される腫瘤。生検により診断する。

参考となる検査所見など

  1. 特定の染色体異常・遺伝子変異を伴う場合
  2. 前述したt(8;21)(q22;q22)/RUNX1-RUNX1T1 、t(15;17)(q22;q12)/PML-RARA 、inv(16)(p13.1q22)あるいはt(16;16)(p13.1;q22)/CBFB-MYH11 の他、下記の染色体異常・遺伝子変異を認めた場合もWHO分類(第4版)では特定の遺伝子異常を有するAML(AML with recurrent genetic abnormalities)に細分類される。
    • t(9;11)(p22;q23)/MLLT3-MLL
    • t(6;9)(p23;q34)/DEK-NUP214
    • inv(3)(q21q26.2)またはt(3;3)(q21;q26.2)/GATA2, MECOM
    • t(1;22)(p13;q13)/RBM15-MKL1
    • NPM1 変異
    • CEBPA 両アレル変異
    • BCR-ABL1 変異(暫定)
    • RUNX1 変異(暫定)
  3. 骨髄異形性関連変化を伴う場合
  4. 以下の骨髄異形成関連変化を伴う場合は、WHO分類(改訂第4版)では骨髄異形成関連変化を伴うAML(AML with myelodysplasia-related changes)に細分類される。ただし、特定の遺伝子異常を有するAMLに分類される染色体・遺伝子異常を有する場合、抗がん剤・放射線治療歴を有する場合は除く
    • 骨髄異形成症候群(MDS)の既往がある
    • 以下のMDS関連の染色体異常を有する:-7/del(7q)、-5/del(5q)、i(17q)/t(17p)、-13/del(13q)、del(11q)、del(12p)/t(12p)、del(9q)、idi(X)(q13)、t(11;16)(q23;p13.3)、t(3;21)(q26.2;q22.1)、t(1;3)(p36.3;q21.1)、t(2;11)(p21;q23)、t(5;12)(q33;p12)、t(5;7)(q33;q11.2)、t(5;17)(q33;p13)、t(5;10)(q33;q21)、t(3;5)(q25;q34)
    • Multilineage dysplasia(少なくとも2系統においてそれぞれ50%以上の異形成あり)を有する
  5. 抗がん剤・放射線治療歴を有する
  6. 抗がん剤・放射線治療歴を有する場合は、WHO分類(改訂第4版)では治療関連骨髄腫瘍(Therapy-relatedmyeloid neoplasms)に細分類される。
  7. ダウン症に発症したAML
  8. ダウン症新生児の約10%に発症する一過性骨髄異常増殖症(Transient abnormal myelopoiesis)およびダウン症に発症したAMLは、WHO分類(改訂第4版)ではダウン症関連骨髄増殖症(Myeloid proliferations associated with Down syndrome)に細分類される。
  9. 骨髄穿刺で検体の採取が困難な場合
  10. 白血病の診断時には骨髄の著しい過形成または線維化、壊死を伴うことがあり、骨髄穿刺による検体の十分な採取が困難な場合がある。細分類のための診断は末梢血に芽球が存在する場合は末梢血での代用が可能であるが、白血病の診断は原則として骨髄検査によるため、反復して骨髄検査を行うか、骨髄生検によって診断を行う。

参考文献

日本小児血液学会疾患登録の手引き(2007年版)

当該事業における対象基準

組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。

:バージョン1.1
更新日
:2015年6月23日
文責
:日本小児血液・がん学会