診断方法
症状
白血病においては特異的な症状はなく、不特定の症状が長引くことが疾患を疑う契機になる。比較的多い症状は発熱、疼痛(骨痛)、腹部膨満、リンパ節腫大、易出血性、倦怠感、頭痛、精巣腫大、などである。
診断
- 骨髄検査でリンパ芽球が全有核細胞の25%以上を占める場合をリンパ芽球性白血病とする。リンパ芽球は特殊染色でエステラーゼ陰性かつペルオキシダーゼ(またはズダンブラック)陰性(3%未満)である。
- 芽球の表面抗原検査により以下の基準を満たしたものを、成熟B細胞リンパ芽球性白血病と診断する。
- CD19、cyCD79a、CD20、CD22のうち2つ以上が陽性 かつ
- Igκ、Igλが 陽 性。
- 他の細分類の診断基準も同時に満たす場合には、混合型白血病として細分類16「1から15までに掲げるもののほかの、白血病」と診断する。
参考となる検査所見など
- 成熟B細胞リンパ芽球性白血病の形態 芽球はFAB分類でL3の形態をとることが多いが、L1やL2であっても本疾患を否定しない。
- 白血病細胞にみられる分子遺伝学的異常 成熟B細胞リンパ芽球性白血病は8q24領域のMYC遺伝子の転座を伴うことが多く、以下の分子遺伝学的な異常は本疾患でみられることが多い。ただし、これらが検出されたことだけでは本疾患とは診断できない。
- t(8;14)(q24;q32)
- t(2;8)(p12;q24)
- t(8;22)(q24;q11)
- 骨髄穿刺で検体の採取が困難な場合 白血病の診断時には骨髄の著しい過形成または線維化、壊死を伴うことがあり、骨髄穿刺による検体の十分な採取が困難な場合がある。細分類のための診断は末梢血に芽球が存在する場合は末梢血での代用が可能であるが、白血病の診断は原則として骨髄検査によるため、反復して骨髄検査を行うか、骨髄生検によって診断を行う。
参考文献
WHO分類(2008年版)
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年8月25日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会