概要
13トリソミー症候群は、常染色体異数性の染色体異常症で、13番染色体全長あるいは一部の重複に基づく先天異常症候群である。出生児の5,000~12,000人に1人とされる。
原因の解明
13トリソミー(症候群)は、13番染色体全長あるいは一部の重複という染色体の数的異常による遺伝子の量的不均衡が生じることにより症状が表れる
主な症状
小頭症、頭皮欠損、頭蓋骨部分欠損、小眼球症、虹彩コロボーマ、網膜異形成、口唇口蓋裂・高口蓋、耳介形態異常、耳介低位、ソケイヘルニア、小陰茎、停留精巣、単一手掌線、第5指単一屈曲線、手指の屈曲拘縮・重なり、軸後性多指趾症、踵の突出、幅の狭い凸型の爪
主な合併症
合併症としては成長障害、重度の発達の遅れ、中枢神経系合併症(前脳・嗅神経・視神経の低形成を伴う全前脳胞症、けいれん)、呼吸器合併症(無呼吸発作、喉頭・気管軟化症)、循環器合併症(先天性心疾患:心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、両大血管右室起始症など)、消化器合併症(胃食道逆流症、臍帯ヘルニア、総胆管拡張症、胆汁うっ滞)、尿路生殖器合併症(停留精巣、水腎症、多嚢胞腎)、内分泌合併症(甲状腺機能低下症、遷延性低血糖)、血液学的異常(好中球の核突出)など
主な治療法
成長障害や発達の遅れを合併し、先天性心疾患やけいれんを伴うことが多い
参考文献
『標準小児科学』 医学書院. 2013 「臨床医が知っておきたい先天異常」小児科臨床, 66suppl. 1253-1257, 2013
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月1日