疾患概念・定義
疫学
思春期前年齢(0〜7ないし9歳)1万人に5〜10名程度
病因
性ホルモン産生腫瘍、hCG産生腫瘍など腫瘍性病変、外因性の性ホルモンなどによる。 1. 女児:卵巣腫瘍、副腎腫瘍、McCune-Albright 症候群、自律性機能性卵巣(囊腫)、外因性エストロジェン、その他 2. 男児:家族性テストトキシコーシス、胚細胞腫瘍、先天性副腎皮質過形成症、外因性アンドロジェン、その他
症状
二次性徴が早期に発来する。女児では乳房腫大、早発陰毛、早発月経を来す。男児では精巣の増大、陰茎の増大、早発陰毛、変声を来す。成長の加速を認め、骨年齢が促進する。男性ホルモン曝露が多い場合、面皰の増加なども認める。 女児における男性ホルモン産生腫瘍や副腎皮質過形成症では、男性化を伴う異性性の思春期早発を認める。McCune-Albright症候群では特徴的な色素沈着(カフェオレ斑)、線維性骨異形成症を伴う
治療
ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(LHRHアナログ)は無効である。 治療の目的は、1) 原疾患があればその治療、2) 成人身長低下の防止、3) 精神的成熟と身体成熟の不均衡の是正、である。ゴナドトロピン非依存性思春期早発症では、1) の治療が主となり、腫瘍性病変は外科的治療や化学療法で治癒することが多い。原疾患の治療が困難な場合は、ステロイド合成阻害剤(トリロスタン,酢酸シプロテロンなど)、性ステロイド阻害薬(アロマターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体阻害剤等)を用いるが、効果は限定的である
予後
外科的治療等により治癒すれば予後はよいが、二次的にゴナドトロピン依存性思春期早発症を来すことがある。原疾患の治療困難例は、身長予後が不良となることもある
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月1日
- 文責
- :日本小児内分泌学会