概要
心室が無秩序に興奮している状態で、心電図では基線の細かい揺れとして記録される。持続すれば死亡する。広義にはQT延長症候群、Brugada症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、QT短縮症候群も含めるが、特発性心室細動はこれらを除いた心室細動で、近年注目されている、J波症候群(早期再分極症候群)がその範疇に入る。頻拍の予防はアミオダロン内服、及びICD植込みである。予後不良の疾患ではあるが、はっきりした予後は未だ不明である。
病因
疫学
遺伝性致死性不整脈は、比較的まれである。特に、J波症候群(早期再分極症候群)はまれな疾患である
診断
【心電図】 心電図で細かく、振幅の比較的小さい不規則なQRSを認める。 【診断基準】 J波症候群(早期再分極症候群)は側壁(I, aVL, V4〜V6)または下壁(II, III, aVF)誘導の、2誘導以上で1mm以上の高さのJ波とST上昇を認めるものである。
治療
頻拍の停止:直流通電(DCショック)を行なう。これでも停止しない場合には,ニフェカラント,アミオダロンを第一選択として投与し、再度DCショックを行なう。 頻拍の予防:アミオダロン、及びICD植込み
予後
予後不良の疾患ではあるが、はっきりした予後は未だ不明である
参考文献
1. Haissaguerre M, Derval N, Sacher F, et al.: Sudden cardiac arrest associated with early repolarization. N Engl J Med 358:2016-23, 2008
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月1日
- 文責
- :日本小児循環器学会