診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 痙攣重積型急性脳症
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痙攣重積型(二相性)急性脳症

けいれんじゅうせきがたきゅうせいのうしょう; にそうせいきゅうせいのうしょう

Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion; AESD

告示

番号:18

疾病名:痙攣重積型(二相性)急性脳症

状態の程度

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

診断基準

A 症状

急性期の臨床症状に基づいて診断する。
① 小児で、感染症の有熱期に発症する。頭部外傷など他の誘因に基づく病態、他の脳症症候群、脳炎は除外する。
② 発熱当日または翌日に痙攣(early seizure、多くはけいれん重積)で発症する。
③ 3~7病日に痙攣(late seizure、多くは部分発作の群発)の再発、ないし意識障害の増悪を認める。

[参考所見]
・ 原因病原体としてHHV-6、インフルエンザウイルスの頻度が高い。
・ early seizure後、意識障害はいったん改善傾向となる。
・ 軽度精神発達遅滞から重度の精神運動障害まで予後は様々である。


B 検査所見

急性期の頭部画像所見に基づいて診断する。
④ 3~14病日に拡散強調画像で皮質下白質(bright tree appearance)ないし皮質に高信号を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる(central sparing)。
⑤ 2週以降、前頭部、前頭・頭頂部にCT, MRIで残存病変ないし萎縮を、またはSPECTで血流低下を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる。

[参考所見]
・ 1, 2病日に施行された CT, MRI は正常である。


C 遺伝学的検査等

なし。


D 鑑別診断

頭部MRIでbright tree appearance類似の所見を呈しうる頭部外傷、虐待、低酸素脳症、臨床症状で発熱に伴う痙攣、意識障害など類似の所見を呈しうる他の脳症症候群、脳炎などは除外する必要がある。


E-1 確実例

上記の①、②、③、④、⑤の全てを満たす例。


E-2 疑い例

上記の①、②に加えて③、④、⑤のいずれかを満たす例。

参考文献

  • 高梨潤一. けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)の診断と治療. 小児急性脳症診療ガイドライン策定委員会(編)小児急性脳症診療ガイドライン. 診断と治療社, 東京, 2016, pp. 92-100
:バージョン1.0
承認日
文責
:日本小児神経学会