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小児交互性片麻痺

しょうにこうごせいへんまひ

alternating hemiplegia of childhood; AHC

告示

番号:23

疾病名:小児交互性片麻痺

概要

乳児期から幼児期初めまでに発症する左右不定の一過性麻痺症状を繰り返す疾患。知的障害と運動障害を伴う。

疫学

100万人当り1~2名の発症。患者は国内で約100人程度

原因の解明

発症原因は、ATP1A3遺伝子異常。この遺伝子はナトリウム・カリウムポンプ(Na/K transporting pump ATPase)のサブユニット蛋白質をコードする。ほとんどの症例が新生突然変異で発症する。

主な症状

麻痺は弛緩性あるいは強直性で左右のどちらからでも始まる。5分間くらいから1週間以上続く場合もある。麻痺発作は片側だけのこともあれば、 反対側に移動することもある。また四肢麻痺を呈することもある。眼球異常運動(眼振、左右別々の動き)の方がより早期に発症することが多い。その他に筋緊張低下、精神運動発達遅滞(半数は歩行不可能)、強直 けいれん発作、不随意運動(ジストニア、ヒョレオアテトーシス)などを呈する

主な合併症

(1) 強直発作のけいれん重積、(2) 四肢麻痺発作時に横隔膜麻痺による呼吸停止が起きることがある。いずれも生命の危険がある。早急に対処できても運動機能退行、知的退行などの後遺症を残す可能性がある

主な治療法

治療法は確立されていない。抗てんかん薬(クロナゼパム、アセタゾラミド、トピラマートなど)が治療の基本となる。国外においては、カルシウムチャンネルブロッカーである塩酸フルナリジンが汎用されている。麻痺発作の軽減効果があるとされている。国内では入手できない。けいれん重積時や呼吸麻痺時には人工呼吸器が必要になることがある

:バージョン1.0
承認日
文責
:日本小児神経学会