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非症候性頭蓋骨縫合早期癒合症

ひしょうこうせいずがいこつほうごうそうきゆごうしょう

Non-syndromic craniosynostosis

告示

番号:33

疾病名:非症候性頭蓋骨縫合早期癒合症

概要

単一あるいは稀に複数の頭蓋骨縫合早期癒合による特有の頭蓋顔面の変形を来たし、他の顔面・指趾・四肢・全身の異常を伴わないものを非症候性頭蓋骨縫合早期癒合症とよぶ。頭蓋骨縫合早期癒合症全体の約85%と推定されている。頭蓋骨縫合早期癒合部位に応じた代償性頭蓋骨変形を生じる。
原因はほとんどの場合不明である。最近になり一部の症例で遺伝子異常が報告されるようになったが系統だった解析は今後の課題である。
従来の見解と異なり、高次脳機能障害を伴うこともあることが近年明らかとなってきている。

疫学

海外の報告では出生1万人あたり4-10名の頻度である。矢状縫合・前頭縫合早期癒合は男児に多く(2-3倍)、冠状・人字縫合は女児に多い傾向にある。

病因

発生機序は不明である。胎児期の子宮内での頭部圧迫・絞扼が原因とする説がある。一部の症例で遺伝子異常を報告されているが、系統的な分析は今後の課題となっている。家族性に発生することもあり、その場合は常染色体優先遺伝の形をとる。

症状

各縫合線の早期癒合により特徴的な頭蓋形態を呈する。

矢状縫合:
舟状頭蓋、長頭蓋
前頭縫合:
三角頭蓋
一側冠状縫合:
前斜頭蓋
両側冠状縫合:
短頭蓋
一側人字縫合:
後斜頭蓋 (頭位性後斜頭蓋との鑑別が必要)
両側人字縫合:
短頭蓋

非症候群性複数縫合早期癒合症では早期癒合した縫合線の組み合わせで様々な頭蓋変形を生じる。

合併症

言語・認知・社会行動などの高次脳機能障害を半数近くに伴うことが報告されている。

治療法

様々な外科治療法があり、早期癒合部位・頭蓋変形の程度、患児の年令、術者の治療方針により選択される。
主な治療法としては、頭蓋拡大再建術、頭蓋骨延長器装着術、病変部縫合線切除術がある。最近では、内視鏡下縫合線切除術+頭蓋形態誘導用ヘルメットを組み合わせた治療法が、低侵襲手術として注目されている。

研究班

Craniosynostosis研究会において、国内における頭蓋骨縫合早期癒合症の実態調査が開始されたところである。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児神経学会、日本小児神経外科学会