診断の手引き

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発作性夜間ヘモグロビン尿症

ほっさせいやかんへもぐろびんにょうしょう

paroxysmal nocturnal haemoglobinuria; PNH

告示番 号50
疾病名発作性夜間ヘモグロビン尿症
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診断方法

  1. 臨床所見として、貧血、黄疸のほかヘモグロビン尿(淡赤色尿~暗褐色尿)を認める。ときに静脈血栓、出血傾向、易感染性を認める。先天発症はなく、10代以降の発症が多い。
  2. 以下の検査所見がしばしばみられる。
    1. 貧血および白血球、血小板の減少
    2. 血清間接ビリルビン値上昇、LDH上昇、ハプトグロビン値低下
    3. 尿上清のヘモグロビン陽性、尿沈渣のヘモジデリン陽性
    4. 好中球アルカリホスファターゼスコア低下、赤血球アセチルコリンエステラーゼ低下
    5. 骨髄赤芽球増加(骨髄は過形成が多いが低形成もある)
    6. Ham(酸性化血清溶血)試験陽性または砂糖水試験陽性
  3. 以下の検査所見によって診断を確実なものとする
    1. グリコシルホスファチヂルイノシトール(GPI)アンカー型膜蛋白の欠損血球(PNHタイプ血球)の検出と定量
    2. 骨髄穿刺、骨髄生検、染色体検査等による他の骨髄不全疾患の判定
  4. 以下によって病型分類を行う
    1. 臨床的PNH(溶血所見がみられる)
      • 古典的PNH
      • 骨髄不全型PNH
    2. PNHタイプ血球陽性の骨髄不全症(溶血所見は明らかでない)
      • PNHタイプ血球陽性の再生不良性貧血
      • PNHタイプ血球陽性の骨髄異形成症候群
      • PNHタイプ血球陽性の骨髄線維症、など
  5. 参考
    1. PNHは溶血性貧血と骨髄不全症の側面を併せ持つ造血幹細胞異常による疾患である
    2. PNHタイプ血球の検出と定量には、抗CD55および抗CD59モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリ法を用いる
    3. PNHタイプ赤血球が1~10%であれば、溶血所見を認めることが多い。PNHタイプ好中球比率はしばしばPNHタイプ赤血球のそれより高値を示す
    4. 溶血所見として、網赤血球増加、血清LDH上昇、間接ビリルビン値上昇、血清ハプトグロビン低下が参考になる
    5. 骨髄不全型PNHは、再生不良性貧血-PNH症候群によって代表される

当該事業における対象基準

治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児血液・がん学会
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