診断の手引き

54

再生不良性貧血

さいせいふりょうせいひんけつ

aplastic anaemia

告示番 号22
疾病名再生不良性貧血
疾患概要、医療意見書等のダウンロードはこちら

診断方法

  1. 臨床所見として、貧血、出血傾向、ときに発熱を認める。
  2. 以下の3項目のうち、少なくとも二つを満たす。
    1. ヘモグロビン濃度;10g/dL未満
    2. 好中球;1,500/uL未満
    3. 血小板;10万/uL未満
     
  3. 汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない。
  4. 汎血球減少をきたすことの多い他の疾患には、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄繊維症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、巨赤芽球性貧血、癌の骨髄転移、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、脾機能亢進症(肝硬変、門脈圧亢進症など)、全身性エリテマトーデス、血球貪食症候群、感染症などが含まれる。
  5. 以下の検査所見が加われば診断の確実性が増す。
    1. 網赤血球増加がない。
    2. 骨髄穿刺所見(クロット標本を含む)で、有核細胞は原則として減少するが、減少がない場合も巨核球の減少とリンパ球比率の上昇がある。造血細胞の異形成は顕著でない。
    3. 骨髄生検所見で造血細胞の減少がある。
    4. 血清鉄値の上昇と不飽和鉄結合能の低下がある。
    5. 胸腰椎体のMRIで造血組織の減少と脂肪組織の増加を示す所見がある。
  6. 診断に際しては、1.、2.、によって再生不良性貧血を疑い、3.によって他の疾患を除外し、4.によって診断をさらに確実なものとする。再生不良性貧血の診断は基本的に他疾患の除外によるが、一部にMDSの不応性血球減少症(refractory cytopenia of childhood: RCC)と鑑別が困難な場合がある。
  7. 病型分類
    1. 先天性
      • ファンコニ貧血
      • 先天性角化不全症
      • シュバッハマンーダイアモンド症候群
      • 先天性無巨核球性血小板減少症などが含まれる。(先天性骨髄不全症候群の項目参照)
    2. 後天性
      • 一次性(特発性)
      • 二次性:末梢血の汎血球減少に先行して、特定の薬剤、化学物質、放射線などの暴露があること
      • 特殊型
    1. 肝炎後再生不良性貧血:A、B、Cなどの既知のウイルス以外の原因による急性肝炎発症後1-3カ月で発症する。必ずしも肝炎後とは限らず、肝炎と同時に発症することもある。末梢血の汎血球減少に先行して、6か月以内の明かなAST、ALTの上昇(施設基準値の2倍以上)が確認されていること、慢性肝疾患(肝硬変)や門脈圧亢進症が先行していないこととする。多くは高ビリルビン血症を伴う。

参照:
大分類16:先天性骨髄不全症候群

赤血球造血、好中球造血、血小板造血が一系統、ないし3系統全てにわたり、
様々な程度で減少する。病型により診断基準がある。
遺伝歴家族歴が明瞭な症例と、弧発例がある。

病 型
1.先天性無巨核球性血小板減少症 Congenital Amegakaryocytic Thrombocytopenia
2.ダイアモンドブラックファン貧血 Diamond-Blackfan Anemia
3.先天性角化異常症 Dyskeratosis Congenita
4.ファンコニ貧血 Fanconi Anemia
5.重症先天性好中球減少症 Severe Congenital Neutropenia
6.シュバッハマン・ダイアモンド症候群 Shwachman-Diamond syndromea
7.橈骨欠損を伴う血小板減少症 Thrombocytopenia Absent Radi
8.ピアソン症候群 Pearson syndrome

当該事業における対象基準

治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児血液・がん学会
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る