診断の手引き

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33から35までに掲げるもののほか、血小板機能異常症

そのた、けっしょうばんきのういじょうしょう

platelet dysfunction

告示番 号16
疾病名13から15までに掲げるもののほか、血小板機能異常症
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診断方法

主症状

  • 出血傾向(疾患により様々)。

分類

  1. 先天性血小板減少症
  2. 血小板サイズにより、小型血小板、正常大血小板、大型あるいは巨大血小板を伴う先天性血小板減少症に分類される。
    1. 小型血小板性血小板減少症
      1. ウィスコット・オルドリッチ症候群:免疫疾患2-11を参照 正常大血小板性血小板減少症
      2. 先天性無巨核球性血小板減少症:トロンボポエチン受容体であるMPL遺伝子のホモ接合性異常が原因の先天性骨髄不全症。新生児期から乳幼児期において骨髄巨核球数の著減した血小板減少を呈するが、骨髄不全が進行し重症再生不良性貧血となる。
      3. 橈骨尺骨融合を伴う血小板減少症:ホメオボックス遺伝子HOXA11のヘテロ接合性異常が原因であり、橈骨尺骨融合を伴う血小板減少症を呈する。
      4. 橈骨欠損を伴う血小板減少症:RNAプロセシングにはたらくRBM8A遺伝子領域の欠失と調節領域にある一塩基多型の複合ヘテロ変異が原因であり、橈骨欠損を伴う血小板減少症を呈する。
      5. 骨髄悪性腫瘍傾向を伴う家族性血小板減少症:造血にはたらく転写因子RUNX1の先天性変異は優性遺伝の血小板減少と血小板機能異常を呈する。およそ30%はAMLやMDSなどを発症する。
      6. 常染色体優性遺伝性血小板減少症:ANKRD26遺伝子の転写調節領域のヘテロ接合性変異による先天性血小板減少症。血液悪性腫瘍との関連が示唆されている。正常大の先天性血小板減少症では最も頻度が高い。
  3. 大型あるいは巨大血小板性血小板減少症
    1. ディジョージ/口蓋心顔面症候群:免疫疾患2-19を参照
    2. GPIIb/IIIa異常症:GPIIb/IIIaの恒常的活性化を引き起こすヘテロ接合性変異は、優性遺伝の巨大血小板症の原因となる。血小板凝集能は低下、出血時間は正常範囲内であるが、GPIIb/IIIa発現は低下する。
    3. αアクチニン1異常症:アクチン結合性蛋白ACTN1のヘテロ接合性変異は先天性巨大血小板症の原因となる。血小板サイズの大小不同を伴う。
    4. 2B型フォン・ビルブランド病:血液疾患22-46を参照 2B型フォン・ビルブランド病のおよそ30%は先天性巨大血小板症を呈する。
    5. Paris-Trousseau/Jacobsen症候群:11q23領域の欠失による転写因子FLI1ハプロ不全は巨大血小板症となり、巨大α顆粒を呈する。
    6. β1 tubulin 異常症:血小板特異的は微小管蛋白β1 tubulin のヘテロ接合性異常は血小板産生と形態保持に異常を来たし、先天性巨大血小板症となる。
  4. 先天性血小板機能異常症
    1. 血小板型フォン・ビルブランド病:GPIbαの遺伝子のフォン・ビルブランド因子への高親和性変異は血小板とフォン・ビルブランド因子の消費亢進を引き起こし、出血傾向を生じる。低濃度リストセチン凝集の亢進。
    2. ADP受容体異常症:ADP受容体であるP2Y12遺伝子のホモ接合性異常はADPによる血小板凝集欠如を引き起こし、出血傾向を呈する。
    3. コラーゲン受容体異常症:コラーゲン受容体GPVI遺伝子のホモ接合性変異はコラーゲンによる血小板凝集欠如を引き起こし、出血傾向を呈する。GPVIに対する自己抗体によるコラーゲン凝集欠如も報告されている。
    4. スコット症候群:血小板膜において血小板活性化に伴うフォスファチジルセリンの膜表面への露出にはたらくスプランブラーゼ(TMEM16F)遺伝子ANO6のホモ接合性変異により起こる。血液凝固の場を提供する血小板プロコアグラント活性とトロンビン形成が低下。血小板表面へのアネキシンV発現が低下。

当該事業における対象基準

治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児血液・がん学会
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