診断の手引き

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カサバッハ・メリット(Kasabach-Merritt)症候群

かさばっは・めりっとしょうこうぐん

Kasabach-Merritt syndrome

告示番 号10
疾病名カサバッハ・メリット症候群
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診断方法

I. 主症状

  • 出生時から存在、あるいは幼小児時期に増大する巨大血管腫。四肢に好発し、頭頸部や体幹、内臓にも発症する。
  • 著明な血小板減少と、それによる紫斑などの出血症状
  • 播種性血管内凝固異常症(DIC)などの血液凝固異常
  • 時に出血や多臓器不全で生命予後に影響する。

II. 検査所見

  • 血液検査:著明な血小板減少や血液凝固異常
  • 画像検査:エコー検査は非浸襲的に血流を確認し、血管性腫瘍の診断に有用である。MR検査では深部病変の広がりと周辺臓器との関連を評価する。
  • 病理組織検査:病理組織検査:カポジ型血管内皮腫と房状血管腫
 

III. 診断および鑑別診断

  1. 原則として、血管腫の存在と臨床症状、検査および画像所見から診断する。病理組織学的検査は鑑別診断や治療法選択において重要であるが、出血リスクも考慮して適応を考える。
  2. 乳児血管腫および血管奇形:乳児血管腫はカサバッハ・メリット症候群を呈さない。大きな静脈性血管奇形やKlippel Trenaunay症候群等でも、凝固異常を呈することがあるが、血小板減少を主体とするカサバッハ・メリット症候群とは異なる。

参考文献

  1. Kasabach HH, Merritt KK: Capillary hemangioma with extensive purpura: report of a case. Am J Dis Child 59:1063-1070, 1940
  2. Enjolras O, Wassef M, Mazoyer E, et al: Infants with Kasabach-Merritt syndrome do not have “true” hemangiomas. J Pediatr 130: 631-640, 1997
  3. Sarkar M, Mulliken JB, Kozakewich HP, et al: Thrombocytopenic coagulopathy (Kasabach-Merritt phenomenon) is associated with Kaposiform hemangioendothelioma and not with common infantile hemangioma. Plast Reconstr Surg. 100:1377-1386, 1997
  4. Enjolras O, Mulliken JB, Wassef M, et al: Residual lesions after Kasabach-Merritt phenomenon in 41 patients. Am Acad Dermatol 42:225-235, 2000

当該事業における対象基準

治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月18日
文責
:日本脳神経血管内治療学会
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