診断の手引き

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グリセロール尿症

ぐりせろーるにょうしょう

Glycerol kinase deficiency; GKD

告示番 号99
疾病名グリセロール尿症
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診断方法

臨床所見、生化学分析、および遺伝子解析に基づいて行う。

  1. 孤発型 GKD
  2. 乳幼児期に、ケトン性低血糖・代謝性アシドーシスを反映すると考えられる、嘔吐,意識障害,けいれん,Reye 様脳症などで発症する。精神・運動発達遅滞を呈することもある。
    一方、ある種の血清中性脂肪測定法でグリセロールが区別されないために生じる「偽性高中性脂肪血症」をきっかけとして、偶然に GKD と診断される成人患者がいることから、本疾患には無症状例も少なくないことが判明している。ただし、成人期にアルコール摂取などを誘因として急性症状を初発した症例も報告されている。
  3. 複合型 GKD
  4. 欠失範囲の広がりによって、以下の各遺伝子の欠損症状が様々な組み合わせで出現する。発症は乳児期となるのが通例である。テロメア側から
    ・ DAX1:先天性副腎低形成 (AHC)
    ・ GK
    ・ DMD:デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィ
    の順に並んでおり、AHC+GKD, GKD+DMD, AHC+GKD+DMD のいずれかが主な病型となる。欠失範囲がさらにセントロメア側に広がって、
    ・ CYBB:慢性肉芽種症
    ・ OTC:高アンモニア血症
    を合併した症例も報告されている。
  5. 血液検査
  6. GKD 急性発症時:低血糖,代謝性アシドーシス,ケトーシス
    AHC 合併型:塩類喪失による低ナトリウム血症
    DMD 合併型:筋逸脱酵素の増加(CK, AST, アルドラーゼなど)
  7. 尿中有機酸分析
  8. グリセロールの排泄増加を認める。
  9. 酵素活性測定
  10. GK 活性は、白血球・線維芽細胞などで測定可能である。
  11. 遺伝子解析
  12. 孤発型 GKD の診断には、GK 遺伝子の直接塩基配列解析が有用である。
  13. 細胞遺伝学的検査
  14. 複合型 GKD の診断には、X染色体高精度分染法や FISH 法を用いてXp21 領域の欠失を証明する必要がある。

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本先天代謝異常学会
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