診断の手引き

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グルタル酸血症1型

ぐるたるさんけっしょういちがた

Glutaric acidaemia type 1; Glutaryl-CoA dehydrogenase deficiency

告示番 号100
疾病名グルタル酸血症1型
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診断方法

  1. 臨床所見:頭囲拡大、発熱後1-3日以降よりみられる嘔吐、急激な筋緊張低下や頚定消失、けいれん、硬直、ジストニアなどの急性症状の他、退行や発達遅滞を認める。
  2. 一般血液・生化学分析:通常は異常なし。急性期には代謝性アシドーシスや高アンモニア血症、低血糖、肝逸脱酵素の上昇を認めることがある。
  3. 頭部画像検査(CT、MRI):Sylvius裂や側脳室の拡大を伴う前頭葉と側頭葉の脳萎縮、線条体の障害の他、硬膜下出血・水腫や網膜出血を伴う場合もある(注1)。
  4. 尿中有機酸分析:通常3-ヒドロキシグルタル酸、グルタル酸およびグルタコン酸の有意な上昇がみられ、これにより化学診断が可能である(注2)。
  5. 血中アシルカルニチン分析:C5-DCの上昇が特徴的である。
  6. 酵素活性:リンパ球や培養細胞を用いて、GCDH活性の低下を確認する。
  7. 遺伝子診断:原因遺伝子であるGCDH遺伝子の解析で98-99%の感度がある。(注3)。
注1:
硬膜下出血・水腫や網膜出血を伴う場合、虐待と診断されることがある。
注2:
特に3-ヒドロキシグルタル酸の排泄増加は本疾患に特徴的である。グルタル酸の尿中への排泄量によって、高排泄型(グルタル酸≧100 mmol/mol creatinine)と低排泄型(グルタル酸<100 mmol/mol creatinine)に分類されるが、これら2つの間に臨床的な違いは認められない。
注3:
海外の文献では低排泄型を示すalleleの存在が報告されるが、日本人症例では欧米とは全く異なる変異を示す。

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本先天代謝異常学会
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