診断の手引き

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複合カルボキシラーゼ欠損症

ふくごうかるぼきしらーぜけっそんしょう

multiple carboxylase deficiency

告示番 号108
疾病名複合カルボキシラーゼ欠損症
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診断方法

一般検査

代謝性アシドーシス、高アンモニア血症、高乳酸血症などが認められる.

診断の根拠となる検査

1) タンデムマス検査:3-ヒドロキシイソバレリルカルニチン(C5-OH)の高値
2) 尿中有機酸分析: 特徴的なパターン(3-ヒドロキシプロピオン酸、メチルクエン酸、3-ヒドロキシイソ吉草酸、3-メチルクロトニルグリシンの排出)
3)遺伝子検査:本邦のホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症においては高頻度変異(p.L237P、c. 780delG)が存在するため、この検出が診断に有用である.
4)酵素活性測定: ビオチニダーゼ活性測定がごく限られた施設で実施されている。

診断基準

複合カルボキシラーゼ欠損症は2)および栄養性ビオチン欠乏症(後述)を否定することで確定診断される。
さらにホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症、ビオチニダーゼ欠損症の確定診断にはそれぞれ3)、4)を要する。

鑑別診断

本邦においては調製粉乳にビオチンの添加が認められていないため、食物アレルギーなどの治療のために加水分解乳やアミノ酸乳を使用した例で、栄養性ビオチン欠乏症が報告されている。栄養性ビオチン欠乏症と先天性ビオチン代謝異常症の鑑別のために、ビオチン100 μg/日で内服投与を行い、皮膚所見の改善および尿中3-ヒドロキシイソ吉草酸の消失をきたせば、栄養性ビオチン欠乏症と考えられる。

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本先天代謝異常学会
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