診断の手引き

28

メチルグルタコン酸尿症

めちるぐるたこんさんにょうしょう

Methylglutaconic aciduria

告示番 号111
疾病名メチルグルタコン酸尿症
疾患概要、医療意見書等のダウンロードはこちら

診断方法

1)一般検査

急性期には代謝性アシドーシス、低カルニチン血症、飢餓時の低血糖などが生じるが、安定期には所見がないこともある。II型では軽度のLDL低下があり、骨髄検査では骨髄球の段階で成熟停止の像を呈する。IV型ではミトコンドリア呼吸鎖異常を示すことが多い。

2)特殊検査

タンデムマスによるアシルカルニチン分析では、C5-OHの上昇を認める。
I型では尿中有機酸分析で、3メチルグルタコン酸(3MGCA)、3メチルグルタル酸(3MGA)、3ヒドロキシイソ吉草酸(3HIVA)の上昇がみられる。これらは安定期には尿中排泄がない場合もある。II型の尿中3MGA量は中等量(正常上限の10倍以下)〜正常域にわたる。尿中3MGAと2エチルヒドロアクリル酸も上昇がみられるが3HIVA等の増加は認めない。III~V型でも中等度(5-10倍程度)の尿3MGAと3MGCAの上昇がみられるがその程度はさまざまである。

3)確定診断

各病型での遺伝子診断を考慮する。(I型:AUH;AU-specific RNA-binding protein)、II型:TAZ遺伝子、III型:OPA遺伝子、IV型:ミトコンドリア蛋白やATP合成に関連する複数の遺伝子、V型:DNAJC19遺伝子、等)


注1)一方、成人発症する緩徐進行性の白質脳症例もあり、進行性の視機能低下と視神経萎縮、四肢失調、痴呆と痙性麻痺を呈する。

参考文献

  1. Wortmann SB et al. The 3-methylglutaconic acidurias : What’s new? J Inher Metab Dis. 2012; 35:13-22.
  2. Shoji Y et al. 3-methylglutaconic aciduria type I: Clinical heterogeneity as a neurometabolic desease. J Inher Metab Dis. 1999; 22:1-8.
  3. Matsumori M et al. A molecular lesion in a Japanese patient with severe phenotype of 3-methylglutaconic aciduria type I. Pediatr Int. 2005; 47:684-6.
  4. Eriguchi M et al. 3-Methylglutaconic aciduria type I causes leukoencephalopathy of adult onset. Neurology. 2006; 67:1895-6.
  5. 大浦敏博. メチルグルタコン酸血症. 山口清次編. 有機酸代謝異常ハンドブック 東京:診断と治療社; 2011. p. 68-9.

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本先天代謝異常学会
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る