診断の手引き

13

強皮症

きょうひしょう

systemic sclerosis

告示番 号24
疾病名強皮症
疾患概要、医療意見書等のダウンロードはこちら

診断方法

わが国では現在のところ小児におけるSScの診断基準はなく、原則として成人を対象とした厚生労働省強皮症調査研究班(2003)の診断基準を用いられること多い4)。一方、小児例では内臓病変の発現が見られないもしくは軽微であることからprobable例として皮膚病理所見の項目を追加した。またProbable例を加えることで他疾患の鑑別が診断上重要となるため項目に追加した。


  • I. 大基準:手指あるいは足趾を越える皮膚硬化※1
  • II. 小基準
  • 1)手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化
  • 2)手指先端の陥凹性瘢痕、あるいは手指の萎縮※2
  • 3)両側性肺基底部の線維症
  • 4)抗トポイソメラーゼI (Scl-70) 抗体、抗セントロメア抗体または抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性※3
  • III. 皮膚病理組織所見

  • Definite例:大基準、あるいは小基準1)及び2)~4)の1項目以上を満たせはdefinite例と診断する。
  • Probable例:大基準を認めるが小基準を満たさない症例で、強皮症に特徴的な皮膚病理所見※4を認め、かつ以下の強皮症に類似した疾患を除外※5できる例をprobale例と診断する。
  • ※1:限局性強皮症(いわゆるモルフィア)を除外する
  • ※2:手指の循環障害によるもので、外傷などによるものを除く
  • ※3:自己抗体検査として抗RNAポリメラーゼIII抗体が強皮症の診断に保険収載となったため、厚生労働省強皮症調査研究班(2003)に本抗体を追加した。
  • ※4:強皮症に特徴的な病理所見:病期初期に認める真皮層の浮腫性変化(浮腫期)と、病期の進行により真皮層の膠原繊維束が太く緊密化し、硬化局面を形成する(硬化期)、さらに硬化期の後、硬化局面が拡大進行、もしくは硬化局面が菲薄化し萎縮する(萎縮期)である。
  • ※5:除外診断:腎性全身性線維症、全身性斑状強皮症、好酸球性筋膜炎、糖尿病性浮腫性硬化症、硬化性粘液水腫、紅痛症、ポルフィリン症、硬化性苔癬、移植片対宿主病、糖尿病性手関節症など限局性強皮症と強皮症に類似した疾患

参考文献

1)
LeRoy EC, et al. Scleroderma (systemic sclerosis): classification, subsets and pathogenesis. J Rheumatol. 15(2):202-5. 1988
2)
Fujita Y. et al. Systemic sclerosis in children: a national retrospective survey in Japan. Acta Paediatr Jpn. 39(2):263-7. 1997
3)
Cassidy, James T. Textbook of pediatric rheumatology, 6th ed. Saunders, 2010
4)
厚生労働科学研究費・難治性疾患克服研究事業「強皮症における病因解明と根治的治療法の開発」強皮症における診断基準・重症度分類・治療指針2007改訂版
5)
Hatta Y, et al. The clinical characteristics of juvenile-onset systemic sclerosis in Japanese patients. Mod Rheumatol. 24(2):377-9. 2014

当該事業における対象基準

治療で非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド薬、免疫調整薬、免疫抑制薬、抗凝固療法、γグロブリン製剤、強心利尿薬、理学作業療法、生物学的製剤又は血漿交換療法のうち一つ以上を用いている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児リウマチ学会
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る