診断の手引き

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全身性エリテマトーデス

ぜんしんせいえりてまとーです

systemic lupus erythematosus; SLE

告示番 号9
疾病名全身性エリテマトーデス
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診断方法

1. 頬部紅斑:鼻唇溝を避けた,頬骨隆起部の平坦あるいは隆起性の固定した紅斑


2. 円板状紅斑:付着する角化性落屑および毛嚢栓塞を伴う隆起性紅斑で,陳旧性病変では萎縮性瘢痕形成がみられることがある


3. 光線過敏症:日光に対する異常な反応の結果生じた皮疹が患者の病歴あるいは医師の観察により確認されたもの


4. 口腔潰瘍:口腔もしくは鼻咽腔潰瘍が医師により確認されたもの。通常は無痛性。


5. 関節炎:圧痛,腫脹あるいは関節液貯留により特徴づけられる,2か所あるいはそれ以上の末梢関節を侵す非びらん性関節炎


6. 漿膜炎(aかb):
a)胸膜炎―胸膜炎によると考えられる疼痛、医師による摩擦音の聴取、あるいは胸水、
b)心膜炎―心電図、摩擦音、あるいは心嚢液貯留により確認されたもの


7. 神経障害(a~fのいずれか):
a)痙攣―有害な薬物もしくは既知の代謝異常、たとえば尿毒症、ケトアシドーシスあるいは電解質不均衡などが存在しないこと、
b)精神障害―有害な薬物あるいは既知の代謝異常、たとえば尿毒症、ケトアシドーシスもしくは電解質不均衡などが存在しないこと、
c)器質脳症候群Organic brain syndrome(失見当識、記憶障害など)、
d)脳神経障害、
e)頭痛、,br> f)脳血管障害
注)いずれもSLE以外の原因を十分に鑑別すること


8. 腎障害(aかb):a)0.5g/日以上,あるいは定量試験を行わなかった場合は3+以上の持続性蛋白尿、b)細胞性円柱―赤血球、ヘモグロビン、顆粒、尿細管性円柱、あるいはそれらの混在


9. 血液学的異常 (a~d)のいずれか:
a)溶血性貧血―網状赤血球増加を伴うもの、
b)白血球減少症― 2 回あるいはそれ以上の測定時に4,000/mm3 未満であること、
c)リンパ球減少症― 2 回あるいはそれ以上の測定時に1,500/mm3 未満であること、
d)血小板減少症― 有害な薬物の投与なしに100,000/mm3 未満であること


10. 免疫学的異常 (a~c)のいずれか:
a)抗dsDNA 抗体(native DNA に対する抗体)の異常高値、
b)抗Sm 抗体(Sm 核抗原に対する抗体)の存在、
c)抗リン脂質抗体陽性[ 1)IgG またはIgM 抗カルジオリピン抗体陽性、2]標準的検査方法を用いたループス抗凝固因子陽性、3)血清梅毒反応の生物学的偽陽性。少なくとも6 ヵ月間陽性で、梅毒トレポネーマ運動抑制試験(TPI)あるいは梅毒トレポネーマ蛍光抗体吸収試験(FTA-ABS)により確認されたもの。


11. 免疫蛍光抗体法あるいはそれと等価の方法で,異常高値を示す抗核抗体を検出すること。経過中のどの時点でもよい。薬剤誘発性ループス症候群と関連することが知られる薬剤投与のないこと。


12. 血清補体(CH50またはC3のいずれか)の低下


 

*経過観察中,経時的あるいは同時に,12 項目のうちいずれかの4 項目,あるいはそれ以上が存在するとき、小児SLEの可能性が高い。

参考文献

  1. 渡辺言夫ら:小児膠原病の診断・治療に関する研究-昭和60年度研究報告-
  2. Hochberg MC et al.:Updating the American College of Rheumatology revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 1997;40(9):1725-1734
  3. Josep F et al.:Systemic lupus erythematosus (SLE) in childhood: analysis of clinical and immunological findings in 34 patients and comparison with SLE characteristics in adults. Ann Rheum Dis 1998;57:456–459
  4. Chiang LL et al.:Differential manifestations of prepubescent, pubescent and postpubescent pediatric patients with systemic lupus erythematosus:A retrospective study of 96 Chinese children and adolescents. Pediatric Rheumatology 2012;10:12
  5. Petri M et al.:Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 2012;64(8):2677–2686

当該事業における対象基準

治療で非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド薬、免疫調整薬、免疫抑制薬、抗凝固療法、γグロブリン製剤、強心利尿薬、理学作業療法、生物学的製剤又は血漿交換療法のうち一つ以上を用いている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児リウマチ学会
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