診断の手引き

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腎性尿崩症

じんせいにょうほうしょう

Nephrogenic diabetes insipidus

告示番 号77
疾病名腎性尿崩症
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診断方法

I.主症候

  1. 口渇および多飲
  2. 多尿
 

II.検査所見

  1. 尿量は1日3,000ml以上(小児においては,1日3,000ml/㎡以上)
  2. 尿浸透圧300mOsm/kg以下(または尿比重1.010以下)
  3. 濃縮力以外の腎機能正常
  4. 下垂体後葉機能検査
  5. 1)バソプレシン試験で尿浸透圧は,300mOsm/kg以上(または尿比重1.010以上)に上昇しない。
    2)水制限試験で尿浸透圧は,300mOsm/kg以上(または尿比重1.010以上)に上昇しない。

確定検査所見

a)高張食塩水試験により,尿浸透圧は300mOsm/kg以上(または尿比重1.010以上)に上昇しない
b)血中バソプレシン値は正常または増加

 

III.除外規定

 高カルシウム血症,低カリウム血症,慢性腎炎,慢性腎盂腎炎を除外できる

診断の基準

確実例
Ⅰ 及び Ⅱ の各事項と除外基準を満たすもの
疑い例
Ⅰ 及び Ⅱの1~3を満たすが,IIの4の1),2)の検査において尿浸透圧が300~450mOsm/kg(または尿比重1.010~1.015)にあるもの

遺伝的負荷が認められることが多い

[註]新生児期,乳児期で多飲,多尿症状が発症する以前の例では,主症状,所見はI’,II’のようになる

Ⅰ'.主症状
原因不明の発熱(しばしば吐乳,哺乳力微弱,便秘を伴う)

 

Ⅱ'.検査所見

  1. 高ナトリウム血症,高浸透圧血症が存在する
  2. 1の所見は①クロロチアジド系利尿薬を連日(3~7日間)投与すること,②哺乳を希釈乳,低Na乳に変換すること,あるいは,③水の強制投与を行うこと,の一つないしは全部の処置により正常化し,主症状も消失する
  3. 2の処置により高ナトリウム・高浸透圧血症の消失した時期には検査所見II-2,3,4-1),2)を示す

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会
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