診断の手引き

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中枢性尿崩症

ちゅうすうせいにょうほうしょう

Central diabetes insipidus

告示番 号78
疾病名中枢性尿崩症
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診断方法

I.主症候

  1. 口渇
  2. 多飲
  3. 多尿
 

II.検査所見

  1. 尿量は1日3,000 ml以上。
  2. 尿浸透圧は300 mOsm/kg以下。
  3. バゾプレシン分泌:血漿浸透圧(または血清ナトリウム濃度)に比較して相対的に低下する。5%高張食塩水負荷(0.05 ml/kg/minで120分間点滴投与)時には、健常者の分泌範囲から逸脱し、血漿浸透圧(血清ナトリウム濃度)高値下においても分泌の低下を認める。
  4. バゾプレシン負荷試験(水溶性ピトレシン5単位皮下注後30分ごとに2時間採尿)で尿量は減少し、尿浸透圧は300 mOsm/kg以上に上昇する。
  5. 水制限試験(飲水制限後、3%の体重減少で終了)においても尿浸透圧は300 mOsm/kgを越えない。ただし、水制限がショック状態を起こすことがあるので、必要な場合のみ実施する。
 

III.参考所見

  1. 原疾患(表1)の診断が確定していることが特に続発性尿崩症の診断上の参考となる。
  2. 血清ナトリウム濃度は正常域の上限に近づく。
  3. MRI T1強調画像において下垂体後葉輝度の低下を認める。
 

診断基準

I と II の少なくとも 1~4 を満たすもの。

表1.中枢性尿崩症の原因

  1. 特発性
  2. 家族性
  3. 続発性
  • 視床下部-下垂体系の器質的障害
  • リンパ球性漏斗下垂体後葉炎
  • 胚細胞腫
  • 頭蓋咽頭腫
  • 奇形腫
  • 下垂体腺腫
  • 転移性腫瘍
  • 白血病
  • リンパ腫
  • サルコイドーシス
  • ランゲルハンス細胞組織球症
  • 結核
  • 脳炎
  • 脳出血
  • 外傷・手術

鑑別診断
多尿を来す中枢性尿崩症以外の疾患として次のものを除外する。

  1. 高カルシウム血症:血清カルシウム濃度が11.0 mg/dlを上回る。
  2. 心因性多飲症:高張食塩水負荷試験で血漿バゾプレシン濃度の上昇を認め、水制限試験で尿量の減少と尿浸透圧の上昇を認める。
  3. 腎性尿崩症:バゾプレシン負荷試験で尿量の減少と尿浸透圧の上昇を認めない。 定常状態での血漿バゾプレシン濃度の基準値は1.0 pg/ml以上となっている。

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会
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