診断の手引き

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偽性低アルドステロン症

ぎせいていあるどすてろんしょう

Pseudohypoaldosteronism

告示番 号7
疾病名偽性低アルドステロン症
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診断方法

偽性低アルドステロン症は1型と2型に分けられ、1型はさらに2つのサブタイプがある。

偽性低アルドステロン症1型 全身型

  1. 臨床症状
    1. 新生児期に発症する哺乳不良、体重増加不良、脱水、嘔気・嘔吐、ショック
    2. 生後数週以内に発症する呼吸器症状(咳、鼻汁、多呼吸、喘鳴、反復する呼吸器感染など)(註1)
      (註1) 呼吸器症状は年齢とともに改善することがある。
  2. 検査所見
    1. 低Na血症、高K血症
    2. 代謝性アシドーシス
    3. 正常腎機能および正常副腎機能
    4. 高レニン性高アルドステロン血症
    5. 尿中Na排泄高値
    6. 唾液および汗中Na, Clの排泄高値
  3. 参考所見
  4. 臨床症状および検査所見はミネラルコルチコイド投与に反応しない
  5. 遺伝子診断
  6. SCNN1A、SCNN1B、あるいはSCNN1Gのいずれかの遺伝子の異常(註2)
    (註2) 常染色体劣性遺伝を示す
  7. 除外項目
  8. 嚢胞性線維症、先天性副腎過形成症、先天性副腎低形成症
    E.を除外した上で
    1. A. B.を認めれば、診断可能。
    2. A.と、B.の1∼4を認め、D.の存在を証明した場合、診断可能。

偽性低アルドステロン症1型 腎臓型

  1. 臨床症状
  2. 新生児期に発症する哺乳不良、体重増加不良、脱水、嘔気・嘔吐、ショック
  3. 検査所見
    1. 低Na血症(註3)、高K血症
    2. z (註3)年齢とともに改善し、Naの補充は必要がなくなる。
    3. 代謝性アシドーシス
    4. 正常腎機能および正常副腎機能
    5. 高レニン性高アルドステロン血症
    6. 尿中Na排泄高値
    7. 唾液および汗中Na, Clの排泄正常(註4)
    8. (註4)全身型との鑑別に有用。
  4. 参考所見
  5. 臨床症状および検査所見はミネラルコルチコイド投与に反応しない
  6. 遺伝子診断
  7. ミネラルコルチコイド受容体(MR)遺伝子の異常(註5)
    (註5)常染色体優性遺伝を示す。
  8. 除外項目
    1. 早産児、腎奇形、尿路感染症などによる一時的なアルドステロン不応答
    2. 先天性副腎過形成症、先天性副腎低形成症
    E.を除外した上で
    1. A. B.を認めれば、診断可能。
    2. A.と、B.の1∼4を認め、D.の存在を証明した場合、診断可能。

偽性低アルドステロン症2型(ゴードン症候群Gordon syndrome)

  1. 臨床症状
    1. 若年発症の高血圧
    2. 筋力低下や四肢麻痺を呈することがある
    3. 低身長、歯・骨の奇形、精神運動発達遅延を来すことがある
  2. 検査所見
    1. 高K血症
    2. 高Cl性代謝性アシドーシス
    3. 正常腎機能および正常副腎機能
    4. 低レニン血症
    5. 血中アルドステロンはほぼ正常範囲内
    6. 尿中Na排泄正常
    7. 尿中K排泄低下
  3. 参考所見
  4. 臨床症状および検査所見はサイアザイド系利尿薬投与、食塩制限により軽減する
  5. 遺伝子診断
  6. WNK1あるいはWNK4の遺伝子の異常(註6)
    (註6) 多くは常染色体優性遺伝を示す
  7. 除外項目
  8. PHA1型、低アルドステロン血症
    E.を除外した上で 
    1. A. B.を認めれば、診断可能。
    2. A.と、B.の1∼3を認め、D.の存在を証明した場合、診断可能。

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会
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