診断の手引き

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副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症

ふくじんひしつしげきほるもんたんどくけっそんしょう

Isolated ACTH deficiency

告示番 号86
疾病名副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症
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診断方法

主症候

  1. 全身倦怠感
  2. 易疲労性
  3. 食欲不振
  4. 意識障害(低血糖や低ナトリウム血症による)
  5. 低血圧

検査所見

  1. 血中コルチゾールの低値
  2. 尿中遊離コルチゾール排泄量の低下
  3. 血中ACTHは高値ではない(注1)
  4. ACTH分泌刺激試験 [CRH(注2)、インスリン(注3)負荷など] に対して、血中ACTHおよびコルチゾールは低反応ないし無反応を示す(注4)。
  5. 迅速ACTH(コートロシン)負荷に対して血中コルチゾールは低反応を示す。但し、ACTH-Z(コートロシンZ)連続負荷に対しては増加反応がある。

除外規定

ACTH分泌を低下させる薬剤投与を除く。

診断の基準

確実例Iの1項目以上とIIの1)~3)を満たし、4)あるいは4)および5)を満たす。

注意点

註1.
血中ACTHは25pg/ml以下の低値の場合が多いが、一部の症例では、血中ACTHは正常ないし軽度高値を示す。生物活性の乏しいACTHが分泌されている可能性がある。CRH負荷前後の血中コルチゾールの増加率は、原発性副腎機能低下症を除外できれば、生物活性の乏しいACTHが分泌されている可能性の鑑別に参考になる。
註2.
CRH受容体異常によって、血中ACTHの低値と分泌刺激試験での血中ACTHの低反応が認められることがある。
註3.
低血糖ストレスによって嘔吐、腹痛、ショック症状を伴う急性副腎機能不全に陥ることがある。
註4.
視床下部性ACTH分泌低下症の場合は、CRHの1回投与でACTHは正常~過大反応を示すことがあるが、コルチゾールは低反応を示す。またCRH連続投与ではACTHとコルチゾールは正常反応を回復する。

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会
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