診断の手引き

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静脈洞型心房中隔欠損症

じょうみゃくどうがたしんぼうちゅうかくけっそんしょう

Atrial septal defect, sinus venosus type

告示番 号48
疾病名静脈洞型心房中隔欠損症
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診断方法

■臨床所見
一般的に小児期は無症状で経過することが多く、心雑音や心電図異常などで健診時に発見されることが多い。しかし、成人期以降、加齢とともに心不全症状、不整脈や肺高血圧の症状が出現する。まれに小児期に、心不全や肺高血圧を合併することがある。
感染性心内膜炎のリスクは低く、予防内服は不要である。
理学所見としては、相対的肺動脈弁狭窄による収縮期駆出性雑音を、胸骨左縁第2肋間に聴取する。II音の固定性分裂を認める。相対的三尖弁狭窄による拡張期ランブルを、胸骨左縁第3から第4肋間に聴取する。

【胸部X線所見】
心陰影は、右房拡大による右第2弓突出、肺動脈拡張による左第2弓突出と右室拡大による左第4弓突出を認める。
肺血流増加による肺血管陰影の増強を認める。

【心電図】
右心系容量負荷による右軸変位、右房負荷、一度房室ブロック(PQ延長)、右脚プロックと胸部誘導での孤立性陰性T波の所見を示す。
加齢により心房性期外収縮、心房細動・粗動や上室性頻拍などの不整脈を呈する。

【心エコー図】
右房、右室の容量負荷と肺動脈の拡張所見を認める。心室中隔の奇異性運動(心室中隔の後方運動の遅延)を認める。欠損孔が大きい場合は心房中隔の欠損を描出できる。
左心房から右心房への心房間左右短絡血流を、収縮期から拡張期にかけて二峰性または三峰性に認める。
肺動脈血流は層流であるが、流速は加速している。

【心臓カテーテル・造影所見】
右心房内で酸素飽和度のステップアップを認める。心房中隔欠損の大きさと部位により、カテーテルを右心房から左心房に進めることができる。
造影検査により、左心房から右心房への短絡を認める。
右心室と主肺動脈間に、軽度の収縮期圧較差を認めることがある。

【診断】心エコー、心臓カテーテル検査

当該事業における対象基準

治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再縮窄

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児循環器学会
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