診断の手引き

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慢性尿細管間質性腎炎(尿路奇形が原因のものを除く。)

まんせいにょうさいかんかんしつせいじんえん (にょうろきけいがげんいんのものをのぞく。)

Tubulointerstitial nephritis; TIN

告示番 号45
疾病名慢性尿細管間質性腎炎(尿路奇形が原因のものを除く。)
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診断方法

臨床所見,画像検査および腎生検により診断する。特に特発性TINの診断には腎生検が不可欠である。

腎生検所見

慢性の経過で腎臓間質にリンパ球を主体とする細胞浸潤や線維化がみられ、尿細管が萎縮、消失し、二次的に糸球体硬化が出現してくる。これらの病理学的変化は原因、罹患時期により質・量ともに大きく変化する。WHOの原因による尿細管間質血管病変分類を表1に示す。


表1. WHO尿細管間質血管病変分類改訂版

  1. 炎症性尿細菅間質性疾患
    1. 感染症
    2. 1)細菌性急性、慢性腎孟腎炎、尿細管間質性腎炎および腎膿瘍、 2)真菌、3)ウイルス(サイトメガロウイルス、アデノウイルスなど)、4)寄生虫、5)結核など

    3. 薬剤性
    4. 1)急性腎毒性尿細管障害(アミノ配糖体、セフェム、カルバペネム、免疫抑制薬など)
      2)過敏性尿細管間質性腎炎(βラクタム、キノロン、抗結核薬など)
      3)慢性腎毒性尿細管障害(抗癌剤、鎮痛薬、免疫抑制薬、リチウムなど)

    5. 免疫異常(抗尿細管基底膜抗体、免疫複合物、細胞性免疫、即時型過敏症)
    6. 1)抗尿細管基底膜病、 2)ループス腎炎、3)Sjögren症候群、4)lgG4関連腎症、 5)移植腎拒絶反応、 6)薬剤(NSAlDs)、7)TINU症候群など

    7. 全身疾患
    8. 1)サルコイドーシス、2)ANCA関連腎炎、3)アレルギー性肉芽腫性血管炎、4)多発血管炎性肉芽腫症、5)慢性関節リウマチ、6)川崎病など

  2. 閉塞性尿細管間質性疾患
  3. 1.水腎症、2.逆流性腎症、3.膿腎症、4.乳糖壊死

  4. 代謝性尿細管間質性疾患
  5. 1.高Ca性腎症、2.痛風腎、3.オキサローシス、4.低K性腎症、5.浸透圧性腎症、6.Fabry病、7.糖原病、8.糖質、脂質、硝子滴変性 胆汁性、鉄、銅など

  6. 腫瘍性あるいは増殖性尿細菅間質性疾患
  7. 1.骨髄腫腎、2.軽鎖沈着症、3.血液疾患などの浸潤

  8. 糸球体疾患や血管病変などによる続発性尿細管間質性疾患
  9. 先天性尿細管間質性疾患
  10. 1.家族性若年性ネフロン癆、2.髄質囊胞症、3.多囊胞腎

  11. 尿細管輸送障害
  12. 放射線腎症
  13. 血管疾患
  14. 1.高血圧、2.血栓、塞栓、梗塞、3.抗リン脂質抗体症候群

  15. 腎動脈狭窄
  16. 腎増殖性血管症と血栓性血管症
  17. 腎血管炎
  18. その他

当該事業における対象基準

腎機能の低下(おおむね3か月以上、血清Crが年齢性別ごとの中央値(別表参照)の1.5倍以上持続)がみられる場合又は腎移植を行った場合

表. 年齢・性別毎の血清クレアチニンの中央値および腎機能低下基準値
年 齢中央値
(mg/dL)
腎機能低下 基準値
(mg/dL)
男女共通
3〜5か月0.200.30
6〜8か月0.220.33
1歳0.230.35
2歳0.240.36
3歳0.270.41
4歳0.300.45
5歳0.340.51
6歳0.340.51
7歳0.370.56
8歳0.400.60
9歳0.410.62
10歳0.410.62
11歳0.450.68

年 齢中央値
(mg/dL)
腎機能低下 基準値
(mg/dL)
男 子
12歳0.530.80
13歳0.590.89
14歳0.650.98
15歳0.681.02
16歳0.731.10
17歳以上0.831.24
年 齢中央値
(mg/dL)
腎機能低下 基準値
(mg/dL)
女 子
12歳0.520.78
13歳0.530.80
14歳0.580.87
15歳0.560.87
16歳0.590.89
17歳以上0.630.95

腎機能低下基準値は、中央値の1.5倍値。12歳以上は男女別となっている。
17歳以上も近年の標準測定法である"酵素法"での正常値(男:0.83、女性:0.63(Jaffe法だと1.03、0.83 相当))を用いて1.5倍として計算。
:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
成長ホルモン療法の助成に関して
腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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