診断の手引き

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膜性増殖性糸球体腎炎

まくせいぞうしょくせいしきゅうたいじんえん

Membranoproliferative glomerulonephritis; MPGN

告示番 号37
疾病名膜性増殖性糸球体腎炎
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診断方法

「大分類2:慢性糸球体腎炎」の診断基準に準じる(表1)。確定診断は腎生検によって行う。

表1. 大分類2:慢性糸球体腎炎

診断は臨床症状および(または)腎生検の組織所見によって行う。

1.臨床症状
タンパク尿および(または)血尿の尿異常が1年以上続くもの

2.腎生検の適応
以下の場合は腎生検の適応である。

持続性蛋白尿(尿蛋白/尿Cr比0.5g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
持続性血尿+蛋白尿(血尿+尿蛋白/尿Cr比0.2g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
ネフローゼ症候群(成人と異なり大部分は腎生検の適応とならない) :微小変化型以外が疑われる症例,先天性が疑われる症例,ステロイド抵抗性を呈する症例
急速進行性腎炎症候群
全身性エリテマトーデス(SLE)
紫斑病性腎炎:ネフローゼ症候群, 急性腎炎症候群, 急速進行性腎炎症候群, 持続する蛋白尿を呈する症例

臨床・検査所見

MPGNの病理所見として、びまん性のメサンギウム細胞増殖と基質の増加、糸球体毛細血管係蹄の二重化および、内皮細胞下とメサンギウム領域への免疫複合体の沈着、内皮下腔へのメサンギウム細胞の間入などが認められ、臨床的に持続性の低補体血症を認める。

電顕的に、高電子密度沈着物の存在部位より、I型(内皮下沈着物)、II型(基底膜内沈着物)、III型 (内皮下沈着物+上皮下沈着物+基底膜内沈着物)の3型に分類される(表2)。


表2. 膜性増殖性糸球体腎炎の各病型の特徴
Ⅰ型Ⅲ型Ⅱ型
頻度70~90%15~20%5%
低補体血症C3→~↓ C4↓ CH50↓C3↓ C4→ CH50↓C3↓ C4→ CH50↓
補体経路古典経路古典経路 or 第二経路?第二経路
光学顕微鏡びまん性メサンギウム増殖と基質増生。糸球体係蹄の分葉化。基底膜の二重化。I型の所見。
スパイク形成や点刻像。
びまん性メサンギウム増殖と基質増生。分葉化は目立たない場合が多い。基底膜の二重化。
蛍光抗体C3、C1q、C4、IgG、IgMC3、IgG、IgMC3陽性。免疫グロブリンは陰性。
電顕所見内皮下とメサンギウム領域にEDDの沈着。上皮下と内皮下にEDDの沈着。基底膜にも存在。基底膜内の帯状のEDD沈着。メサンギウム領域、尿細管、ボーマン嚢基底膜にもEDDの沈着。

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤、降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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