診断の手引き

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メサンギウム増殖性糸球体腎炎(IgA腎症を除く。)

めさんぎうむぞうしょくせいしきゅうたいじんえん (あいじーえーじんしょうをのぞく。)

Mesangial proliferative glomerulonephritis; MesPGN

告示番 号39
疾病名メサンギウム増殖性糸球体腎炎(IgA腎症を除く。)
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診断方法

「大分類2:慢性糸球体腎炎」の診断基準に準じる。確定診断は腎生検によって行う。

表1. 大分類2:慢性糸球体腎炎

診断は臨床症状および(または)腎生検の組織所見によって行う。

1.臨床症状
タンパク尿および(または)血尿の尿異常が1年以上続くもの

2.腎生検の適応
以下の場合は腎生検の適応である。

持続性蛋白尿(尿蛋白/尿Cr比0.5g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
持続性血尿+蛋白尿(血尿+尿蛋白/尿Cr比0.2g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
ネフローゼ症候群(成人と異なり大部分は腎生検の適応とならない) :微小変化型以外が疑われる症例,先天性が疑われる症例,ステロイド抵抗性を呈する症例
急速進行性腎炎症候群
全身性エリテマトーデス(SLE)
紫斑病性腎炎:ネフローゼ症候群, 急性腎炎症候群, 急速進行性腎炎症候群, 持続する蛋白尿を呈する症例

MesPGNを呈する疾患は多彩であり、全身性疾患に伴うものと伴わないもの(原発性)に分類される(表2)。


表2. メサンギウム増殖性糸球体腎炎を呈する疾患

全身性疾患に伴うもの

  1. 全身性エリテマトーデス
  2. 感染性心内膜炎
  3. アレルギー性紫斑病
  4. 混合性結合組織病
  5. 網膜色素変性症

原発性糸球体腎炎

  1. 感染後性糸球体腎炎の回復期
  2. IgA腎症
  3. IgM腎症
  4. Clq腎症
  5. C3単独あるいはC3とIgGの沈着を認めるもの
  6. 免疫グロプリン,C3いずれの沈着も認めないもの

病理診断

光顕所見では、びまん性全節性のメサンギウム細胞の増殖とメサンギウム基質の増生が認められる。メサンギウム細胞の増殖とは、1つのメサンギウム領域に細胞が4個以上みられるものと定義され、その評価は、厚さ2μmの標本において、糸球体血管極から離れた末梢のメサンギウム領域でなされなければならない。

MesPGNでは、Bowman囊との癒着、分節性の硬化や管内細胞増殖像などを伴うことがあり、管内増殖性糸球体腎炎(溶連菌感染後糸球体腎炎)、膜性増殖性糸球体腎炎、微小変化群や巣状糸球体硬化症などの鑑別を要する。 蛍光抗体法では、免疫グロブリン、補体のいずれの沈着も認めないものと、IgA、IgG、IgM、C3、C1qなどが主にメサンギウム領域と一部の係蹄壁に顆粒状沈着として認められるものとがある。メサンギウム領域へのIgAやC3の顆粒状沈着が他の免疫グロブリンよりも優位に認められるものがIgA腎症として鑑別する。

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤、降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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