診断の手引き

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急速進行性糸球体腎炎(多発血管炎性肉芽腫症によるものに限る。)

きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえん (たはつけっかんえんせいにくげしゅしょうによるものにかぎる。)

rapidly progressive glomerulonephritis due to Granulomatosis with polyangiitis (GPA)

告示番 号32
疾病名急速進行性糸球体腎炎(多発血管炎性肉芽腫症によるものに限る。)
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診断方法

急速進行性糸球体腎炎の診断については,2002年に厚生労働省の分科会より発表された診療指針が頻用されている(表1)。この診療指針は2010年に改訂され,早期発見のための診断指針が改訂されている(表2)。
多発血管炎性肉芽腫症の診断指針は表3に示す(膠原病:「細分類8:多発血管炎性肉芽腫症」も参照)。


表1. 急速進行性腎炎症候群確定診断指針(参考文献1)

1)
数週から数カ月の経過で急速に腎不全が進行する。
2)
(病歴の聴取、過去の検診、その他の腎機能データを確認する。)
3)
血尿(多くは顕微鏡的血尿、稀に肉眼的血尿)、蛋白尿、円柱尿などの腎炎性尿所見を認める。
4)
過去の検査歴などがない場合や来院時無尿状態で尿所見が得られない場合は、臨床症候や腎臓超音波検査、CT などにより、腎のサイズ、腎皮質の厚さ、皮髄境界、尿路閉塞などのチェックにより、慢性腎不全との鑑別を含めて、総合的に判断する。

表2. 急速進行性腎炎症候群早期発見のための診断指針(参考文献1~3より改変)

1)
尿所見異常(主として血尿や蛋白尿、円柱尿)・・・ 註1
2)
eGFR <60mL/min/1.73m2 ・・・ 註2
3)
CRP 高値や赤沈促進

上記の 1~3)を認める場合、「RPGNの疑い」として腎専門病院への受診を勧める。
ただし腎臓超音波検査を実施可能な施設では、腎皮質の萎縮がないことを確認する。
なお、急性感染症の合併、慢性腎炎に伴う緩徐な腎機能障害が疑われる場合には、1~2 週間以内に血清クレアチニンを再検し、eGFRを再計算する。

註1:
近年、健診などによる無症候性検尿異常を契機に発見される症例が増加している。
最近出現した検尿異常については、腎機能が正常であっても RPGNの可能性を念頭に置く必要がある。
註2:
eGFRの計算は、わが国のeGFR 式である下式を用いる。
eGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cre-1.094×Age-0.287(女性はこれに×0.739)

12歳未満の小児においては下式を用いる。
eGFR(mL/min/1.73m2)=0.35×身長(cm)/Cre

12歳以上19歳未満の小児については 参考文献3 を参照
ただし、血清クレアチニンの測定は酵素法で行うこと。


表3. 多発血管炎性肉芽腫症の診断基準

Ⅰ. 主要症状

(1)上気道(E)の症状

E
鼻(膿性鼻漏、出血、鞍鼻)、眼(眼痛、視力低下、眼球突出)、耳(中耳炎)、口腔・咽頭痛(潰瘍、腹声、気道閉塞)

(2)肺(L)の症状

L
血疾、咳嗽、呼吸困難

(3)腎(K)の症状

血尿、蛋白尿、急速に進行する腎不全、浮腫 高血圧

(4)血管炎による症状

①全身症状
発熱(38℃以上、2週間以上)、体重減少(6カ月以内に6kg以上)
②臓器症状
紫斑、多関節炎(痛)、上強膜炎、多発性神経炎、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、消化管出血(吐血・下血)、胸膜炎

Ⅱ. 主要組織所見

E、 L、 Kの巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性炎
免疫グロブリン沈着を伴わない壊死性半月体形成腎炎
小・細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎

Ⅲ. 主要検査所見

proteinase-3(PR-3)ANCA(蛍光抗体法でcytoplasmicpattem、C-ANCA)が高率に陽性を示す。


Ⅳ. 判 定

(1)確 実(definite)

  1. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)のそれぞれ1臓器症状を含め主要症状の3項目以上を示す例
  2. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)、血管炎による主要症状の2項目以上及び、組織所見①、②、③の1項目以上を示す例
  3. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)、血管炎による主要症状の1項目以上と組織所見①、②、③の1項目以上及びC(PR-3)ANCA陽性の例

(2)疑い(probable)

  1. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)、血管炎による主要症状のうち2項目以上の症状を示す例
  2. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)、血管炎による主要症状のいずれか1項目及び、組織所見①、②、③の1項目を示す例
  3. 上気道(E)、肺(L)、腎(K)、血管炎による主要症状のいずれか1項目とC(PR-3)ANCA陽性を示す例

Ⅴ. 参考となる検査所見

白血球、CRPの上昇
BUN、血清クレアチニンの上昇

Ⅵ. 識別診断

E、 Lの他の原因による肉芽腫性疾患(サルコイドーシスなど)
他の血管炎症候群(顕微鏡的PN、アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)など)

Ⅶ. 参考事項

上気道(E)、肺(L)、腎(K)のすべてがそろっている例は全身型、上気道(E)、下気道(L)、のうち単数もしくは2つの臓器にとどまる例を限局型と呼ぶ。
全身型はE、 L、 Kの順に症状が発現することが多い
発症後しばらくすると、E、 Lの病変に黄色ぶどう球菌を主とする感染症を合併しやすい
E、 Lの肉芽腫による占拠性病変の診断にCT、MRI、シンチ検査が有用である
PR-3ANCAの力価は疾患活動性と平行しやすい。稀にP(MPO)ANCA陽性を認める例もある

参考文献

  1. 急速進行性糸球体腎炎診療指針作成合同委員会.急速進行性腎炎症候群の診療指針.日腎会誌 2002;44:55-82.
  2. 厚生労働省特定疾患「進行性腎障害」急速進行性腎炎分科会. 急速進行性腎炎症候群の診療指針 第2版. 厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班報告. 日腎会誌 2011;53:509-555.
  3. 日本腎臓学会 編.CKD診療 ガイドライン2013. 東京医学社、 東京、 2013.

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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