診断の手引き

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急速進行性糸球体腎炎(顕微鏡的多発血管炎によるものに限る。)

きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえん (けんびきょうてきたはつけっかんえんによるものにかぎる。)

rapidly progressive glomerulonephritis due to Microscopic Poly-angitis (MPA)

告示番 号31
疾病名急速進行性糸球体腎炎(顕微鏡的多発血管炎によるものに限る。)
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診断方法

急速進行性糸球体腎炎の診断については、2002年に厚生労働省の分科会より発表された診療指針が頻用されている(表1)。この診療指針は2010年に改訂され、早期発見のための診断指針が改訂されている(表2)。
顕微鏡的多発血管炎の診断指針は表3に示す(膠原病:「細分類10:顕微鏡的多発血管炎」も参照)。
小児の急速進行性性糸球体腎炎や顕微鏡的多発血管炎の診断指針はないため、現時点ではこれらの基準を用いる。


表1. 急速進行性腎炎症候群確定診断指針(参考文献1)

1)
数週から数カ月の経過で急速に腎不全が進行する。
2)
(病歴の聴取、過去の検診、その他の腎機能データを確認する。)
3)
血尿(多くは顕微鏡的血尿、稀に肉眼的血尿)、蛋白尿、円柱尿などの腎炎性尿所見を認める。
4)
過去の検査歴などがない場合や来院時無尿状態で尿所見が得られない場合は、臨床症候や腎臓超音波検査、CT などにより、腎のサイズ、腎皮質の厚さ、皮髄境界、尿路閉塞などのチェックにより、慢性腎不全との鑑別を含めて、総合的に判断する。

表2. 急速進行性腎炎症候群早期発見のための診断指針(参考文献2、3、表1より改変)

1)
尿所見異常(主として血尿や蛋白尿、円柱尿)・・・ 註1
2)
eGFR <60mL/min/1.73m2 ・・・ 註2
3)
CRP 高値や赤沈促進

上記の 1~3)を認める場合、「RPGNの疑い」として腎専門病院への受診を勧める。
ただし腎臓超音波検査を実施可能な施設では、腎皮質の萎縮がないことを確認する。
なお、急性感染症の合併、慢性腎炎に伴う緩徐な腎機能障害が疑われる場合には、1~2 週間以内に血清クレアチニンを再検し、eGFRを再計算する。

註1:
近年、健診などによる無症候性検尿異常を契機に発見される症例が増加している。
最近出現した検尿異常については、腎機能が正常であっても RPGNの可能性を念頭に置く必要がある。
註2:
eGFRの計算は、わが国のeGFR 式である下式を用いる。
eGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cre-1.094×Age-0.287(女性はこれに×0.739)

12歳未満の小児においては下式を用いる。
eGFR(mL/min/1.73m2)=0.35×身長(cm)/Cre

12歳以上19歳未満の小児については 参考文献3 を参照
ただし、血清クレアチニンの測定は酵素法で行うこと。


表3. 顕微鏡的多発血管炎の診断基準

(1) 主要症候

  1. 急速進行性糸球体腎炎(RPGN)
  2. 肺胞出血もしくは間質性肺炎
  3. 腎・肺以外の臓器症状:紫斑、皮下出血、消化管出血、多発性単神経炎など

(2) 主要組織所見
 細動脈・毛細血管・後毛細血管細静脈の壊死、血管周囲の炎症性細胞浸潤

(3) 主要検査所見

  1. MPO-ANCA陽性
  2. CRP陽性
  3. 蛋白尿・血尿、血中尿素窒素、血清クレアチニン値の上昇
  4. 胸部X線所見:浸潤陰影(肺胞出血)、間質性肺炎

(4) 診断基準

  1. 確実(definite)
    1. 主要症候の2項目以上と、組織所見の存在する例
    2. 主要症候の1.および2.を含め2項目以上を満たし、MPO-ANCAが陽性の例
  2. 疑い(probable)
    1. 主要症候の3項目を満たす例
    2. 主要症候のうち1項目とMPO-ANCA陽性の例

(5) 鑑別診断

  1. 結節性多発動脈炎
  2. 多発血管炎性肉芽腫症
  3. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症/アレルギー性肉芽腫性血管炎
  4. 川崎病
  5. 膠原病(SLE、関節リウマチなど)
  6. IgA血管炎(紫斑病血管炎)

(6) 参考事項

  1. 主要症候の出現する1〜2週間前に先行感染(多くは上気道感染)を認める例が多い。
  2. 主要症候1.および2.は約半数例で同時に、その他の例ではいずれか一方が先行する。
  3. 無症候で、学校検尿における尿検査異常が診断の契機となることもある。
  4. 多くの例でMPO-ANCAの力価は疾患活動性と平行して変動する。
  5. 治療を早期に中止すると、再発する例がある。
  6. 除外項目の諸疾患は壊死性血管炎を呈するが、特徴的な症候と検査所件から鑑別できる。

参考文献

  1. 急速進行性糸球体腎炎診療指針作成合同委員会.急速進行性腎炎症候群の診療指針.日腎会誌 2002;44:55-82.
  2. 厚生労働省特定疾患「進行性腎障害」急速進行性腎炎分科会. 急速進行性腎炎症候群の診療指針 第2版. 厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班報告. 日腎会誌 2011;53:509-555.
  3. 日本腎臓学会 編. CKD診療ガイドライン2013. 東京医学社, 東京, 2013.

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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