診断の手引き

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紫斑病性腎炎

しはんびょうせいじんえん

Henoch-Schönlein purpura nephritis; HSPN

告示番 号34
疾病名紫斑病性腎炎
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診断方法

「大分類2:慢性糸球体腎炎」の診断基準に準じる(表1)。診断は診断はHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)の臨床所見とこれに合併する尿所見異常の臨床症状によって行う。

表1. 大分類2:慢性糸球体腎炎

診断は臨床症状および(または)腎生検の組織所見によって行う。

1.臨床症状
タンパク尿および(または)血尿の尿異常が1年以上続くもの

2.腎生検の適応
以下の場合は腎生検の適応である。

持続性蛋白尿(尿蛋白/尿Cr比0.5g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
持続性血尿+蛋白尿(血尿+尿蛋白/尿Cr比0.2g/g以上が3カ月以上持続;2歳以上)
ネフローゼ症候群(成人と異なり大部分は腎生検の適応とならない) :微小変化型以外が疑われる症例,先天性が疑われる症例,ステロイド抵抗性を呈する症例
急速進行性腎炎症候群
全身性エリテマトーデス(SLE)
紫斑病性腎炎:ネフローゼ症候群, 急性腎炎症候群, 急速進行性腎炎症候群, 持続する蛋白尿を呈する症例

診断上の留意点

  • HSPの診断は、米国リウマチ学会の診断基準では、①隆起性の紫斑、②急性の腹部疝痛、③生検組織での小動静脈壁の顆粒球の存在、④年齢が20歳以下(好発年齢は3~7歳)、のうち二つ以上を満たすことでなされる。
  • HSP発症後に顕微鏡的血尿や蛋白尿など尿検査異常を認めれば、HSPNの臨床診断は可能であり、臨床診断のための腎生検は不要である。ただし、腎病理組織所見(表2)は腎予後と相関することから、表3に示すような症例は腎生検を施行し、早期に治療方針を決定すべきである。

表2. 国際小児腎臓病研究班(ISKDC)による紫斑病性腎炎の組織分類と予後

Grade Ⅰ
微小変化
Grade Ⅱ
メサンギウム増殖のみ
Grade Ⅲ
a) 巣状,b) びまん性メサンギウム増殖,半月体形成<50%
Grade Ⅳ
a) 巣状,b) びまん性メサンギウム増殖,半月体形成 50~75%
Grade Ⅴ
a) 巣状,b) びまん性メサンギウム増殖,半月体形成>75%
Grade Ⅵ
膜性増殖性腎炎様病変

表3. 紫斑病性腎炎における腎生検の適応

  • 急性腎炎発症
  • ネフローゼ発症
  • Nephrotic nephritis (急性腎炎 + ネフローゼ)
  • 持続性蛋白尿(1g/日/m2が1か月以上持続)
  • 持続性蛋白尿(0.5~1g/日/m2が3か月以上持続)

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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