診断の手引き

6

1から5までに掲げるもののほか、ネフローゼ症候群

そのた、ねふろーぜしょうこうぐん

Other nephrotic syndromes

告示番 号25
疾病名20から24までに掲げるもののほか、ネフローゼ症候群
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診断方法

ネフローゼの診断は「大分類1:ネフローゼ症候群」の診断に準ずる。
ステロイド抵抗例,腎機能障害,高度血尿,高血圧を伴う場合など,微小変化型ネフローゼ症候群以外の疾患が疑われる症例では,腎生検にて病理組織診断を行う。

ネフローゼ症候群を呈する疾患のうち、細分類 1 ~ 5 に該当するものを除外する。
また、慢性糸球体腎炎に伴う二次性ネフローゼ症候群のうち、「大分類2:慢性糸球体腎炎」に起因するものを除く。

表1.「大分類1:ネフローゼ症候群」の診断方法

以下 1. または 2. にてネフローゼ症候群の診断を行う

  1. 国際小児腎臓病研究班 (International Study of Kidney Disease in Children :ISKDC) の診断基準に基づき、
    高度蛋白尿(夜間蓄尿で40 mg/時/m2 以上または早朝尿で尿蛋白クレアチニン比 2.0 g/gCr 以上)、低アルブミン血症(血清アルブミン2.5g/dL以下)によりネフローゼ症候群と診断する。
  2. 以下の厚生省特定疾患調査研究班の診断基準を用いても良い
  3. ① 蛋白尿
    1日の尿蛋白量は 3.5 g 以上ないし 0.1g/kg、または早朝起床時第 1 尿で 300 mg/100mL 以上の蛋白尿が持続する。
    ② 低蛋白血症
    1)血清総蛋白量 ⇒ 学童・幼児: 6.0 g/100mL 以下、乳児:5.5 g/100mL 以下
    2)血清アルブミン量 ⇒ 学童・幼児:3.0 g/100mL 以下、乳児:2.5 g/100mL 以下
    ③ 高脂血症
    血清総コレステロール量 ⇒ 学童:250 mg/100mL 以上、幼児:220 mg/100mL 以上、乳児: 200 mg/100mL 以上
    ④ 浮腫
    *蛋白尿・低蛋白血症は本症侯群診断のための必須条件。
    *高脂血症・浮腫は本症侯群診断のための必須条件ではないが、これを認めればその診断はより確実となる。
    *蛋白尿の持続とは 3 ~ 5 日以上をいう。

表2. ネフローゼ症候群の原疾患

Ⅰ. 先天的要因(遺伝子変異)によるもの

Ⅱ. 後天的要因によるもの

 一次性ネフローゼ症候群

  1. 微小変化型ネフローゼ
  2. 巣状分節性糸球体硬化症
  3. 膜性腎症
  4. メサンギウム増殖性糸球体腎炎
  5. 管内増殖性糸球体腎炎
  6. 膜性増殖性糸球体自然
  7. 半月体形成性腎炎
  8. Alport症候群
  9. その他:C1q腎症,C3腎症,フィブロネクチン腎症,線維性糸球体腎症など

 二次性ネフローゼ症候群

  1. 代謝性疾患:糖尿病性腎症、アミロイドーシス、クリオグロブリン血症など
  2. 自己免疫性疾患・血管炎:ループス腎炎、紫斑病性腎炎、ANCA関連性腎炎など
  3. 悪性疾患:悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、固形癌など
  4. 感染症:B型肝炎、C型肝炎、MRSA、HIV、梅毒、パルボウイルスB19感染症、マラリア、感染性心内膜炎、シャント腎炎など
  5. 薬物:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗てんかん薬(トイメタジオンなど)、抗リウマチ薬、インターフェロン、水銀、ヘロインなど
  6. その他:うっ血性心不全、アレルギー(花粉、虫刺症、毒ヘビなど)、肝硬変、腎静脈血栓症、妊娠高血圧症候群など

当該事業における対象基準

次の①から⑤のいずれかに該当する場合
①「先天性ネフローゼ症候群」の場合
②「半年間で3回以上再発」した場合又は「1年間に4回再発」した場合
③治療で免疫抑制薬又は生物学的製剤を用いる場合
④ステロイド抵抗性であり、4週間のステロイド治療を行った後も、尿中蛋白質 100mg/dL、又は尿中蛋白質1g/日以上で、かつ血清アルブミン 3.0g/dL未満の状態である場合
⑤腎移植を行った場合
※なお、継続症例と再発症例については、腎生検により詳細な診断を行い、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、IgA腎症等の病型を区別すること

註.
「半年以内に3回以上の再発を認めた場合又は1年以内に4回以上再発」した場合に医療費助成の対象となるが、
その場合であっても「半年間で3回以上再発」した場合における1回目及び2回目の再発、及び、
「1年間に4回以上再発」した場合における3回目までの再発の治療に要した費用は医療費助成の対象とはならない。

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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