診断の手引き

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巣状分節性糸球体硬化症

そうじょうぶんせつせいしきゅうたいこうかしょう

Focal segmental glomerulosclerosis; FSGS

告示番 号20
疾病名巣状分節性糸球体硬化症
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診断方法

FSGS の診断は、ステロイド抵抗性や腎機能障害など微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)としては非典型的な臨床症状で疑い、腎生検で確定診断する(腎生検の適応については「大分類1:ネフローゼ症候群」を参照)。

診断に際しての留意点

  • 巣状分節性糸球体硬化症 (FSGS)は、ネフローゼ症候群を呈さず、高度蛋白尿が長期に持続することもある。
  • 腎生検に際して、病変糸球体は皮髄境界部にみられることが多く、一方、非硬化部糸球体は光顕上ほとんど変化が認められないことから、採取された腎組織が皮質浅層のみの場合にはMCNSとの鑑別が困難な場合がある。また、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群では、病勢により経時的に組織所見が変わることがある。
  • 初回腎生検で微小変化型やびまん性メサンギウム増殖であっても、治療に反応せずネフローゼ状態が持続し、FSGS に移行する場合がある。また、組織所見と予後が合致しないことも多い。

形態学的分類として、コロンビア分類 (表1) が知られている。

 

表1. 巣状分節性糸球体硬化症 (FSGS) の病理分類(コロンビア分類)

1. 血管極型亜型(perihilar variant)
少なくとも 1 個の糸球体で血管極の硝子化を認める。cellular、tip、collapsing の各 variant を除外する必要がある。
2. 細胞型亜型(cellular variant)
少なくとも 1 個の糸球体で管内増殖を認める。Tip、collapsingの各variantを除外する必要がある。
3. 尿細管極型亜型(tip variant)
少なくとも 1 個の糸球体の尿細管極に病変を認める。Collapsing variantを除外する必要がある。
4. 虚脱型亜型(collapsing variant)
少なくとも 1 個の糸球体で虚脱に加えて糸球体上皮細胞の肥大と過形成を認める。
5. 特定の亜型に分類されないもの(not otherwise specified: NOS)

「大分類1:ネフローゼ症候群」の診断方法

以下 1. または 2. にてネフローゼ症候群の診断を行う

  1. 国際小児腎臓病研究班 (International Study of Kidney Disease in Children :ISKDC) の診断基準に基づき、
    高度蛋白尿(夜間蓄尿で40 mg/時/m2 以上または早朝尿で尿蛋白クレアチニン比 2.0 g/gCr 以上)、低アルブミン血症(血清アルブミン2.5g/dL以下)によりネフローゼ症候群と診断する。
  2. 以下の厚生省特定疾患調査研究班の診断基準を用いても良い
  3. ① 蛋白尿
    1日の尿蛋白量は 3.5 g 以上ないし 0.1g/kg、または早朝起床時第 1 尿で 300 mg/100mL 以上の蛋白尿が持続する。
    ② 低蛋白血症
    1)血清総蛋白量 ⇒ 学童・幼児: 6.0 g/100mL 以下、乳児:5.5 g/100mL 以下
    2)血清アルブミン量 ⇒ 学童・幼児:3.0 g/100mL 以下、乳児:2.5 g/100mL 以下
    ③ 高脂血症
    血清総コレステロール量 ⇒ 学童:250 mg/100mL 以上、幼児:220 mg/100mL 以上、乳児: 200 mg/100mL 以上
    ④ 浮腫
    *蛋白尿・低蛋白血症は本症侯群診断のための必須条件。
    *高脂血症・浮腫は本症侯群診断のための必須条件ではないが、これを認めればその診断はより確実となる。
    *蛋白尿の持続とは 3 ~ 5 日以上をいう。

当該事業における対象基準

病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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