診断の手引き

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フィンランド型先天性ネフローゼ症候群

ふぃんらんどがたせんてんせいねふろーぜしょうこうぐん

Congenital nephrotic syndrome of the Finnish type; CNF

告示番 号23
疾病名フィンランド型先天性ネフローゼ症候群
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診断方法

  • 家族歴、臨床症状、検査所見、腎生検所見により総合的に診断する(表1、2)。
    (腎生検の適応については下記の「大分類1:ネフローゼ症候群」を参照)
  • 必要に応じて遺伝子診断を併用する。

表1. CNFにみられる臨床・検査所見

  • 母体の血清・羊水中のαフェトプロテイン濃度の高値
  • 胎盤重量が出生体重の25%以上
  • 胎児期発症の高度タンパク尿
  • 血清アルブミン濃度:1.0g/dL未満
  • タンパク尿:2.0g/dL以上(血清アルブミン濃度1.5g/dL以上に補正した場合)
  • 先天性ネフローゼ症候群を呈する他疾患を除外(表2)
  • 生後6か月まで,腎機能正常
  • 家族歴あり
  • NPHS1 遺伝子の異常

表2. 先天性・乳児ネフローゼ症候群の分類
原発性原因遺伝子
フィンランド型CNS(CNF) NPHS1 (19q13.1)
びまん性メサンギウム硬化(DMS) WT1 (11p13) PLCE1 (10q23)
巣状糸球体硬化症 NPHS2 (1q25-31)PLCE1
Denys-Drash症候群(DDS) WT1
Pierson症候群 LamB2 (1q31)
nail-patella症候群 LMX1B (9q34)
Herlitz致死型表皮水庖症 LamB3 (1q32)
中枢神経奇形症候群
Galloway-Mowat症候群
微小変化型ネフローゼ症候群
膜性腎症
ミトコンドリア異常
その他 ()内 遺伝子座
二次性
感染症
 先天性梅毒、トキソプラズマ、マラリア、サイトメガロウイルス、風疹、 B型肝炎、HIV
SLE
Avner ED,et al: Pediatric nephrology, 6th ed, Philadelphia, Lippincott Williams & Wilkins, 601‐619,2009より改変

「大分類1:ネフローゼ症候群」の診断方法

以下 1. または 2. にてネフローゼ症候群の診断を行う


  1. 国際小児腎臓病研究班 (International Study of Kidney Disease in Children :ISKDC) の診断基準に基づき、高度蛋白尿(夜間蓄尿で40 mg/時/m2 以上または早朝尿で尿蛋白クレアチニン比 2.0 g/gCr 以上)、
    低アルブミン血症(血清アルブミン2.5g/dL以下)によりネフローゼ症候群と診断する。
  2. 以下の厚生省特定疾患調査研究班の診断基準を用いても良い
  3. ① 蛋白尿
    1日の尿蛋白量は 3.5 g 以上ないし 0.1g/kg、または早朝起床時第 1 尿で 300 mg/100mL 以上の蛋白尿が持続する。
    ② 低蛋白血症
    1)血清総蛋白量 ⇒ 学童・幼児: 6.0 g/100mL 以下、乳児:5.5 g/100mL 以下
    2)血清アルブミン量 ⇒ 学童・幼児:3.0 g/100mL 以下、乳児:2.5 g/100mL 以下
    ③ 高脂血症
    血清総コレステロール量 ⇒ 学童:250 mg/100mL 以上、幼児:220 mg/100mL 以上、乳児: 200 mg/100mL 以上
    ④ 浮腫
    *蛋白尿・低蛋白血症は本症侯群診断のための必須条件。
    *高脂血症・浮腫は本症侯群診断のための必須条件ではないが、これを認めればその診断はより確実となる。
    *蛋白尿の持続とは 3 ~ 5 日以上をいう。

当該事業における対象基準

次のいずれかに該当する場合
ア 先天性ネフローゼ症候群の場合
イ 治療で薬物療法を行っている場合
ウ 腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
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