診断の手引き

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ファンコーニ(Fanconi)症候群

ふぁんこーにしょうこうぐん

Fanconi syndrome

告示番 号28
疾病名ファンコーニ症候群
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診断方法

臨床徴候ならびに,近位尿細管障害を示唆する検査所見を合わせて診断する。

臨床所見

  1. 成長障害: リンの再吸収障害,代謝性アシドーシス,低カリウム血症,近位尿細管での25(OH)ビタミンD3の1α水酸化障害,栄養障害などが複合的に影響する。
  2. くる病・骨軟化症: リンの喪失、ビタミンDの活性化障害が原因となり骨の石灰化が障害される。
  3. 多飲・多尿: 尿中への溶質喪失による浸透圧利尿に加え,低カリウム血症による集合管での尿濃縮力障害が原因となる。
  4. 脱水・反復熱: 乳幼児では多尿に伴う高度脱水により反復する発熱を認める場合がある。

検査所見

  1. 電解質異常: 低ナトリウム血症,低カリウム血症を認める。
  2. 汎アミノ酸尿: 近位尿細管での再吸収障害による。尿中アミノ酸分析により全般性のアミノ酸排泄増加を確認する。
  3. 腎性糖尿: 近位尿細管でのブドウ糖の再吸収障害により尿中への糖排泄が増加する。
  4. リン酸尿・低リン血症:尿細管におけるリンの再吸収障害により,尿細管リン再吸収率(%TRP)が低下する。
     %TRP={1-(Up×Scr/Sp×Ucr)}×100 (%) (基準値60~90%)
     Up; 尿中リン濃度,Scr; 血清クレアチニン値,Sp; 血清リン値,Ucr; 尿中クレアチニン濃度
  5. 近位尿細管性アシドーシス: 近位尿細管での重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収障害により代謝性アシドーシスを呈する。血液ガス検査によりアシドーシスの存在を確認するとともに,尿中への重炭酸排泄率(FEHCO3-)の増加を確認する(正常5%以下)。
  6. 尿酸尿・低尿酸血症: 尿中への尿酸排泄率(FEUA)の増加を確認する。(基準値4~14%)
  7. 低分子蛋白尿: 尿中α1-ミクログロブリン,β2-ミクログロブリンの増加の確認。

※上記すべての所見を呈するものを完全型、複数の症状・所見のみを呈するものを不完全型と診断する。

当該事業における対象基準

治療で薬物療法を行っている場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
成長ホルモン療法の助成に関して
腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
成長ホルモン療法の助成に関しては下記を参照ください
成長ホルモン療法の助成に関して
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