診断の手引き

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ギッテルマン(Gitelman)症候群

ぎってるまんしょうこうぐん

Gitelman Bartter syndrome

告示番 号4
疾病名ギッテルマン症候群
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診断方法

ギッテルマン(Gitelman)症候群(GS)、 バーター(Bartter)症候群(BS)は分子生物学的に表のように分類される。このような臨床的特徴をもとに臨床的および分子生物学的診断を行う。


表. Bartter症候群、Gitelman症候群の病態(参考文献1~8)
1型Bartter 2型Bartter 3型Bartter 4型Bartter 4b型(5型)
Bartter
Gitelman
病因遺伝子SLC12A1KCNJ1CLCNKBBSNDCLCNKA and
CLCNKB
SLC12A3
蛋白NKCC2ROMKClC-KbBarttin ClC-Ka and
ClC-Kb
NCCT
役割Na+-K+-2Cl-
共輸送隊
KチャネルClチャネルClチャネルβサブユニットClチャネルNa+-Cl-
共輸送隊
羊水過多ありありまれありありなし
成長障害ありありまれありありなし
尿濃縮能障害++++++++++±~+
腎石灰化ありありまれまれまれなし
末期腎不全ありありありありあり非常にまれ
低Mg血症なしなし時にあり時にあり時にありあり
尿中Ca低~正常~高低~正常~高低~正常~高
発見時年齢胎児期胎児期新生児、乳児期胎児期胎児期学童期以降
合併症新生児期高カリウム血症難聴、典型例では最も重篤難聴、典型例では最も重篤

1)臨床診断

①低カリウム血症、②代謝性アルカローシス、③高レニン・高アルドステロン症の三つの条件を満たした際にはじめて本病態を考慮する。そのうえで、出生歴、腎石灰化の有無、血清マグネシウム値、尿中カルシウム値などを参考に病型診断を行う(表)1-8。BS、GSともに常染色体劣性疾患であり、両親に同様の病態を認める場合は他の疾患である可能性が高い。BS、GSの全病型において、低身長を伴いやすく、また感冒時の脱水症状、テタニー症状を伴い入院加療を要することが多い その際の血液検査で診断される症例も多数存在する。

2)利尿薬負荷試験

1型BSはフロセミドの作用点であるNKCC2の障害であり、GSはサイアザイドの作用点であるNCCTの障害で発症する。そのため1型BSではフロセミドに無反応、GSではサイアザイドに無反応である。この原理を利用して、利尿薬負荷試験により診断を行うことが可能である。しかし、2型BSにおいては両方の薬剤に反応し、3型BSにおいては従来の予想に反し、フロセミドには反応しサイアザイドに無反応であることが報告され、これらの疾患群において最も鑑別の難しい3型BSとGSの鑑別には同検査法は適さないことが判明した9

3)遺伝子診断1-8

現在までのところ、遺伝子診断が確定診断を行ううえで最も重要と考えられるが、その変異検出率に関しては不明な点が多い。

4)偽性BS、偽性GS

瀉下剤の長期の使用や、利尿薬の乱用、慢性の咽吐、神経性食思不振症、アルコール中毒などで本病態を呈する。その場合、原因の除去を行っても低カリウム血症の改善には時間を要することが多いため、その鑑別には注意が必要である。また、腎低形成、ネフロン癆、Dent病、ミトコンドリア病、常染色体優性低カルシウム血症(autosomaldominant hypocalcemia:ADH)などの先天性腎尿細管疾患や嚢胞性線維症、先天性クロール性下痢症において、同様の病態を呈することがあり、その場合BS、GSとの鑑別は非常に困難である。

参考文献

  1. Birkenhäger R, Otto E, Schürmann MJ, et al. Mutation of BSND causes Bartter syndrome with sensorineural deafness and kidney failure. Nat Genet 29:310-4, 2001.
  2. Estévez R, Boettger T, Stein V, et al. Barttin is a Cl- channel beta-subunit crucial for renal Cl- reabsorption and inner ear K+ secretion. Nature414:558-61, 2001
  3. Schlingmann KP, Konrad M, Jeck N,et al. Salt wasting and deafness resulting from mutations in two chloride channels. N Engl J Med 350:1314-19, 2004.
  4. Seyberth HW. An improved terminology and classification of Bartter-like syndromes. Nat Clin Pract Nephrol 4:560-7, 2008.
  5. Simon DB, Bindra RS, Mansfield TA, et al. Mutations in the chloride channel gene, CLCNKB, cause Bartter's syndrome type III. Nat Genet. 1997 Oct;17(2):171-8. et al.: Nat Genetl7:171-178, l997.
  6. Simon DB, Karet FE, Rodriguez-Soriano J, et al. Genetic heterogeneity of Bartter's syndrome revealed by mutations in the K+ channel, ROMK. Nat Genet4:152-6, 1996.
  7. Simon DB, Karet FE, Hamdan JM,et al. Bartter's syndrome, hypokalaemic alkalosis with hypercalciuria, is caused by mutations in the Na-K-2Cl cotransporter NKCC2.Nat Genet 13:183-8, 1996
  8. Simon DB, Nelson-Williams C, Bia MJ, et al. Gitelman's variant of Bartter's syndrome, inherited hypokalaemic alkalosis, is caused by mutations in the thiazide-sensitive Na-Cl cotransporter.Nat Genet 12:24-30, 1996.
  9. Nozu K, Iijima K, Kanda K, et al. The pharmacological characteristics of molecular-based inherited salt-losing tubulopathies. J Clin Endocrinol Metab95:E511-8, 2010.

当該事業における対象基準

治療で薬物療法を行っている場合又は腎移植を行った場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年5月23日
文責
:日本小児腎臓病学会
成長ホルモン療法の助成に関して
腎機能障害が進行し、身長が-2.5SD以下の場合でがつ成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
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