診断の手引き

68

膵芽腫

すいがしゅ

Pancreatoblastoma

告示番 号24
疾病名膵芽腫
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診断方法

主症状

腹部腫瘤として発症することが多い。その他体重減少、腹痛、全身倦怠感、消化管出血、黄疸などの症状を呈する場合がある。

検査所見

  1. 画像診断では、超音波検査で低エコーな腫瘤像、CTでは境界明瞭な円形、分養生で不均一に造造影され、時に嚢胞成分を有する腫瘤として描出される。またしばしば点状や斑点状の石灰化像を混じる。MRIにてはT1強調で低信号、T2強調で等~高信号の腫瘤像を呈する。
  2. 血清AFPの上昇が60~80%程度の症例で報告されている。
  3. 初診時の長径は5~10cm程度であり、肉眼的に弾性軟、周囲の膵組織との間に薄い被膜を有することが多い。割面は灰黄色の充実性腫瘍で分葉構造を示す。出血や壊死傾向が強く、ときに石灰化を伴い、一部嚢胞状の場合もある。
    組織学的に幅の広い間質結合組織で区切られて小葉状の不規則な形の胞巣状構造を示すことが多い。腫瘍細胞は、腺腔を作りながら増殖し腺房類似の組織構築を示し、腺房細胞への分化傾向を示す細胞と、明らかな分化傾向を示さない充実性胞巣を形成する細胞の2種類に分けられる。
    腺房細胞に類似する細胞は、核異型は目立たず、明瞭な核小体を持ち、diastase抵抗性・PAS染色陽を呈する細胞質内顆粒を有する。円柱状の腫瘍細胞が不規則な腺管状配列を示すこともあり、その場合は核が異型性を増して大型化する。
    稀に軟骨や類骨組織がみられる。扁平上皮様小体(squamoid corpuscle)といわれる、大型でやや明調な核と淡好酸性の豊富な細胞質を持つ扁平上皮類似の腫瘍細胞の小塊は、膵芽腫の診断には必須であり、腺房細胞癌との鑑別に不可欠である。

その他の徴候

診断

原則として、病理組織学的検査により診断する。

参考文献

  1. 小児腫瘍組織カラーアトラス第5巻、肝臓・胆嚢・膵臓腫瘍(日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会 編)、金原出版、東京、2010
  2. T. Morohoshi, R.H. Hruban, D.S. Klimstra, N. Ohike, B. Terris. Pancreatoblastoma. In: Fred T. Bosman, Fatima Carneiro, Ralph H. Hruban, Neil D. Theise (eds). World Health Organization Classification of Tumours: Pathology and Genetics of Tumours of the Digestive system: 4th edition, IARC Press: Lyon, France, 2010, pp 319–321.
  3. 新小児がんの診断と治療 別所文雄他 診断と治療社
  4. Dhebri AR, Connor S, Campbell F, et al: Diagnosis, treatment and outcome of pancreatoblastoma. Pancreatology 2004; 4:441-453

当該事業における対象基準

組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児血液・がん学会
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