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本態性血小板血症

ほんたいせいけっしょうばんけっしょう

essential thrombocythaemia

告示番 号51
疾病名本態性血小板血症
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疾患概念

骨髄増殖性疾患 (Myeloproliferative disorder (MPD) / myeloproliferative neoplasm (MPN) は造血幹細胞レベルのクローナルな増殖に起因するとされる、稀な疾患群であり、また骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome, MDS)との異同が注目され、MDS/MPN疾患群も存在する。小児期に発症するMPNではCMLやJMMLが有名であるが、まれに真性多血症(polycythemia vera, PV)家族性赤血球増加症( familiar polycythemia)本態性血小板血症(essential thrombocytosis, ET)骨髄線維症(Myelofibrosis, MF)、好酸球増多症(hypereosinophilic syndrome, HES)、肥満細胞症(mastocytosis, MS)などが存在し、その発症頻度と分子病態は不明なままである。またこれ以外に従来の分類では対応できない未分類のMDS/MPNも存在する。

疫学

PV/ET/MFの小児期での発症は稀とされているが、真の発症頻度は海外でも不明である。

症状

PVでは無症状のこともあるが、血液粘度が上昇して流れにくくなる為、頭痛、めまい、ほてり、のぼせ、耳鳴り、赤ら顔、高血圧などの症状が起きる。また、肝脾腫が多くみられる。ETでは血小板が増加することにより痛み・痺れ等の血栓症の症状、あるいは逆に血小板の機能の異常により紫斑や鼻血などの易出血症状が出ることもある。HESでは、発熱、体重減少、貧血、倦怠感、咳、呼吸困難、筋肉痛、血管性浮腫などや、さらに臓器が障害された場合はその障害によりさまざまな症状が起こりえる。MSでは肥満細胞の増加で、皮膚の色素沈着、難治性の蕁麻疹がみられる。未分類MDS/MPNは白血球増多などの慢性の経過をたどるが、時に急性転化を来し、急性白血病となる。

治療

小児のPV/ETなどは無治療経過観察の場合もあるが、瀉血、抗血小板薬の投与、ハイドロキシウレアの投与が行われる場合もある。HES/MSでは主にアレルギー症状を対象に、ステロイド剤、抗アレルギー剤の投与が行われる場合が多い。未分類MDS/MPNでは経過観察中に白血病発症する場合もあり、速やかに造血幹細胞移植を検討することが望ましい。

予後

PV/ET/HES/MSの生命予後は比較的良好であるが、多数例での検討がなされてないので、不明な点も多い。未分類MDS/MPNの予後は造血幹細胞移植なしでは不良である。

参考文献

  1. Ismael O, Shimada A, Hama A, Elshazley M, Muramatsu H, Goto A, Sakaguchi H,Tanaka M, Takahashi Y, Yinyan X, Fukuda M, Miyajima Y, Yamashita Y, Horibe K, Hanada R, Ito M, Kojima S. De novo childhood myelodysplastic/myeloproliferative disease with unique molecular characteristics. Br J Haematol. 2012;158:129-37.
  2. Ismael O, Shimada A, Hama A, Sakaguchi H, Doisaki S, Muramatsu H, Yoshida N, Ito M, Takahashi Y, Akita N, Sunami S, Ohtsuka Y, Asada Y, Fujisaki H, Kojima S. Mutations profile of polycythemia vera and essential thrombocythemia among Japanese children. Pediatr Blood Cancer. 2012;59:530-5.
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会
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