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ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ・ナイハン(Lesch-Nyhan)症候群)

ひぽきさんちんぐあにんほすほりぼしるとらんすふぇらーぜけっそんしょう(れっしゅ・ないはんしょうこうぐん)

Lesch-Nyhan syndrome: Hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase (HPRT) deficiency

告示番 号82
疾病名ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ・ナイハン症候群)
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概要・定義

プリンサルベージ酵素である、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)が先天的にほぼ欠損することにより、プリン体の合成が上昇し、高尿酸血症をきたすほか、不随意運動、筋硬直、精神遅滞、特有の自咬症を呈するX連鎖性疾患である。X染色体不活化の偏りで、まれに女児の症例が存在する。

疫学

Lesch-Nyhan症候群は男児出生10万人に1人程度の頻度である。部分欠損はKelley-Seegmiller症候群とよばれ、高尿酸血症は重症の痛風や、急性腎不全の原因となり精神症状を伴う症例もみられる。

病因

HRPT遺伝子異常に基づき、HRPT活性が低下することにより起こる。プリン体合成が上昇し、それに伴い特有の神経症状を引き起こすとされている。

症状

舞踏病アテトーゼを伴う精神発達遅滞、自傷行為、高尿酸血症を呈する、典型的には乳児期早期より哺乳異常、発育不良がみられ。その後運動発達遅滞が明らかになる。1歳を過ぎて不随意運動が、2歳を過ぎて自傷行為が出現する。生後2-3ヶ月で腎結石、尿路感染症が認められる。

診断

治療

根治療法はない。
高尿酸血症の治療として、十分な水分摂取、尿アルカリ剤の投与などを行う。キサンチン脱水素酵素阻害剤のアロプリノールも有効である。しかし神経症状の進行は止められない。
筋硬直や運動遅滞の改善は困難で、バクロフェン、ジアゼパム、クロナゼパムなどの薬剤は使用されているが評価は不定である。行動異常に対してガバペンチン、カルバマゼピン、ジアゼパムなどが投与されるが、やはり定まった治療はない。

予後

上記治療がある程度効けば、20-30代までの生存につながる。完全欠損の場合は非常に重篤で寝たきりになる。

成人期以降

特にない。上記治療を継続することである。

参考文献

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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