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先天性腸性肢端皮膚炎

せんてんせいちょうせいしたんひふえん

Acrodermatitis enteropathica

告示番 号27
疾病名先天性腸性肢端皮膚炎
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概要・定義

 腸管からの亜鉛吸収障害を病因とする常染色体劣性遺伝性疾患である.症状は病名の通り皮膚症状が中心である.

疫学

稀な疾患である.世界的には50万人に1人と考えられている1).本邦では10年間 (2001~2010年)で4家系の報告がある1).

病因

SLC39A4 (ZIP4)遺伝子の異常に基づき,腸管からの亜鉛吸収障害を病因とする.

症状

 四肢末端および開口部(口囲,鼻孔,眼囲,耳孔,耳介,肛囲,外陰)に,丘疹,小水疱,膿疱をともなう紅斑,びらん,あるいは結痂をきたす.さらに,鑷幹,爪変形,爪囲炎,脱毛(全頭,眉毛,睫毛,毳毛)なども生じる.皮膚症状以外では,下痢,発育不全,免疫能低下,精神症状(不機嫌やうつ傾向など)などを呈する.

診断

 上記の臨床症状より本疾患を疑う.検査所見としては,血清亜鉛値ならびに尿中亜鉛排泄量の低下,亜鉛酵素である血清ALP値の低下が特徴的である.診断の確定は,SLC39A4遺伝子解析による遺伝子診断にて行う.

治療

治療は亜鉛薬の経口投与を行なう.投与量は,亜鉛として乳児期3mg/kg/日,幼児期30-50mg/日,学童期以降50-150mg/日と大量投与が必要である2).

予後

症状は亜鉛投与にて速やかに改善するが,再発を繰り返すため治療は生涯にわたり必要である.

参考文献

1. 中野創:腸性肢端皮膚炎.先天代謝異常症候群(第2版)下,日本臨床社,2012; 259-263.
2. 児玉浩子:小児の微量元素代謝異常症.日児誌 2009; 113: 795-807
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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