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オクシピタル・ホーン症候群

おくしぴたる・ほーんしょうこうぐん

Occipital horn syndrome

告示番 号26
疾病名オクシピタル・ホーン症候群
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概要・定義

本症候群はメンケス病の軽症型である。責任蛋白であるATP7Aの活性がある程度残存しているため、症状がメンケス病より著しく軽い。後頭骨に角様変化が見られるのが特徴で、筋力低下、歩行障害、膀胱憩室、血管蛇行などの結合織異状が主症状である。有効な治療法はない。

疫学

常染色体劣性の遺伝性疾患で、発症頻度は出生男子約70万人に1人と推定されている。女性の報告はない。

病因

銅輸送ATPaseの1つであるATP7A遺伝子の変異が原因で、変異のタイプはスプライト変異が多く、ATP7A活性がある程度残存している。ATP7Aは肝細胞以外の殆どの細胞で発現しており、銅のサイトソルからゴルジ体内への輸送を司っている。本症では、銅がゴルジ体に輸送されないため、細胞内に銅が蓄積し、細胞外への銅の分泌が障害されている。

症状

症状の程度はATP7A活性の残存程度により様々で、発症年齢は1~10歳と幅が広い。筋力低下による運動機能の発達遅延が見られる。顔貌はmyopathyに特徴的な顔貌で、皮膚・関節の過伸展があり、歩行は一般的に可能であるが、ゆっくりした歩行、ふらつきなどの歩行障害が見られる。結合織異常の症状が特徴で、後頭骨の角変化(図1)、膀胱憩室と繰り返す尿路感染、血管蛇行、骨粗鬆症、下痢などを呈する。知能・精神発達は軽度遅延~正常である。

診断

血清銅とセルロプラスミンは低値例が多いが、基準範囲のこともある。確定診断はATP7A遺伝子解析または培養皮膚線維芽細胞の銅濃度高値で行う。遺伝子変異部位は非常に多彩で、まれに変異が同定されない場合がある。

治療

有効な治療法は報告されていない。尿路感染などの対処療法を行う。

予後

予後は不明であるが、肺炎、尿路感染を繰り返すことが多い。感染や骨折の予防が大切である。

成人期以降

予後と同じ

参考文献

児玉浩子他:occipital horn症候群の診療指針. 厚生労働科学研究費補助金「Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成23年~24年度総合研究報告書、2013年、pp63-74.
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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