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レフサム(Refsum)病

れふさむびょう

Refsum disease

告示番 号86
疾病名レフサム病
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概要・定義

レフサム病は、”heredopathia atactica polyneuritiformis”として報告され、患者は英国や北欧に多い。無嗅覚症・早期発症の網膜色素変性症に末梢神経障害、難聴、小脳失調、魚鱗癬を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患で、ペルオキシソームに局在するphytanic-CoA hydroxylase (phyH) の欠損により血中のフィタン酸が増加する。

疫学

英国や北欧に多く、これまでに日本人症例の報告はない。

病因

フィタン酸は炭素数20の分枝脂肪酸で、そのままでは直接、β酸化は受けられず、α酸化により炭素数19のプリスタン酸に分解された後、β酸化により分解される。このα酸化を担うのがphyHで、レフサム病では本酵素の特異的な欠損が病因である。近年、RCDP type1の病因であるPEX7遺伝子異常を持つ患者のなかでフィタン酸の増加は認めるものの、プラスマローゲンの減少が軽微から正常範囲で、臨床的にRefsum病患者と区別がつかない症例が報告されている。

症状

発症年齢は7ヶ月から50歳で、発症時期と重症度は必ずしも相関しない。多くの症例は必発である網膜色素変性症による夜盲で発症するが、特に小児では気づかれないこともあり、その後、同心性の視野狭窄から視力が消失する。その他の症状としては頻度順に嗅覚障害、多発ニューロパチー、聴力障害、小脳失調、魚麟癬などがみられる。多発ニューロパチーは下肢遠位部からはじまる筋力低下、筋萎縮、感覚障害で、徐々に進行して体幹から上肢にも広がる。小脳失調も特徴的所見で失調性歩行や企図振戦、眼振などを呈するが、眼症状や多発ニューロパチーに比べると発症時期は遅い。

診断

治療

フィタン酸を多く含む乳製品、ウシ、ヒツジ、ヤギなどの肉や脂肪を厳しく制限する食事療法が基本である。フィタン酸の低下により魚麟癬、感覚麻痺、失調などの症状は改善するが、視力・聴力は改善しにくく、早期診断、早期介入が重要である。緑黄色野菜の制限はヒトではフィトールが吸収されにくいことより必要ない。高カロリー食は血漿中のフィタン酸の増加を防ぐのに対して、飢餓やストレス等は血漿フィタン酸を増加させる。フィタン酸の高濃度による急性の不整脈や筋症状に対しては、血漿交換が有効である。

予後

無治療の患者では予後は不良で、ほとんどが視力を消失し、約半数は30歳前に死亡しており、死因として心筋症による突然死が最も多い。

参考文献

1) ペルオキシソーム病ハンドブック2013. 下澤伸行 日本臨床社
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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