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酸性リパーゼ欠損症

さんせいりぱーぜけっそんしょう

Acid lipase deficiency; Wolman disease and cholesterol ester storage disease

告示番 号119
疾病名酸性リパーゼ欠損症
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概要・定義

酸性リパーゼの欠損によって,ほとんどの内臓組織中の組織球性泡沫細胞にコレステロールエステルとトリグリセリドが蓄積する常染色体劣性のライソソーム蓄積疾患である。臨床的に重症型のWolman病(Wolman disease)と軽症型のコレステロールエステル蓄積症(cholesterol ester storage disease:CESD)に分けられる。

疫学

まれである。日本では10数人が確認されている。未診断の症例はもっとあると想像される。

病因

ライソゾームにある酸性リパーゼの欠損による。常染色体性劣性遺伝である。

症状

1). Wolman病:臨床症状が比較的重篤な乳児の致死的疾患である。臨床症状は生後1週間以内に明らかになり,発育不全,激しい嘔吐,腹部膨満,脂肪便,肝脾腫などを呈する。通常は高脂質血症を示す。肝機能障害と肝硬変が起こる場合がある。本疾患では副腎の石灰化が特徴的で,通常は6カ月以内に死に至る。
2). コレステロールエステル蓄積症:成人期まで診断されない場合もあり,比較的軽症の疾患である。肝腫大が唯一の症状であるが,患者は早発性アテローム性動脈硬化症の重大なリスクがある。副腎の石灰化はみられない。

診断

治療

酵素補充療法が行われ、良好な結果が得られている。

予後

酵素補充療法を継続することにより、良好な予後が得られる。

成人期以降

コレステロールエステル蓄積症において、早発性アテローム性動脈硬化症に留意し、定期的の冠動脈疾患の検診を行うことが勧められる。

参考文献

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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