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遊離シアル酸蓄積症

ゆうりしあるさんちくせきしょう

Free Sialic Acid Storage Disease; Salla Disease; infantile Free Sialic Acid Storage Disease

告示番 号140
疾病名遊離シアル酸蓄積症
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概要・定義

遊離シアル酸蓄積症は、ライソゾーム膜におけるシアル酸の輸送障害により、ライソゾーム内に遊離シアル酸が蓄積する常染色体劣性遺伝病である。おもに中枢神経症状を呈し、臨床所見から軽症型はSalla病、重症型は乳児遊離シアル酸蓄積症およびその中間型に分類される。

病因

シアル酸をライソゾームから細胞質へ輸送するライソゾーム膜輸送担体であるシアリンの異常により、ライソゾーム内にシアル酸が蓄積し、細胞障害が生じる。シアリンをコードするSLC17A5遺伝子は6q13に存在し、軽症型のSalla病患者はp.Arg39Cysのホモ接合体、中間型はp.Arg39Cysと他の病因変異の複合ヘテロ接合体、遊離シアル酸蓄積症ではp.Arg39Cys以外の病因変異の複合ヘテロ接合体が報告されている1)2)。

症状

・最軽症型(Salla病):一般に出生時は無症状であるが、1歳前より軽度から中等度の精神運動発達遅滞を呈し、幼児期から成人期にかけて痙直、アテトーゼ、けいれん発作、運動失調、髄鞘低形成などが緩徐に進行していく。肝脾腫、骨変形は呈さない。
・最重症型(乳児遊離シアル酸蓄積症):出生早期から、重度の発達遅滞、肝脾腫、粗な顔貌、けいれん発作、心肥大、腎障害、骨変形などを呈し、幼児期に死亡する。胎児水腫の場合も見られる。
・中間型(重症Salla病):軽症型のSalla病と重症型の乳児遊離シアル酸蓄積症との中間の重症度を呈する。

診断

治療

根治的治療法はなく、対症療法を行う。特にけいれんのコントロールと発達を促すリハビリテーションが主となる。

予後

乳児期発症の遊離シアル酸蓄積症は呼吸器感染などで小児期早期に死亡する。軽症型のSalla病は、成人まで生存可能である。70才代まで生存した症例もある。

参考文献

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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