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糖原病Ⅲ型

とうげんびょうさんがた

Glycogen storage disease type III

告示番 号67
疾病名糖原病Ⅲ型
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概要・定義

糖原病III型(Cori病)は、トランスフェラーゼ (4-α-グルカントランスフェラーゼ) 活性とグルコシダーゼ(アミロ-α-1,6-グルコシダーゼ)活性を有するグリコーゲン脱分枝酵素の欠損による常染色体遺伝性疾患で、組織にグリコーゲン限界デキストリンが蓄積する。欠損活性の種類と罹患臓器により①IIIa型(肝筋型)②IIIb型(肝型)③IIId型 (肝筋型、α-1,4-グルカントランスフェラーゼ単独欠損症)に分類される。

疫学

有病率は20万人に1人程度と推測される。糖原病III型のサブタイプではIIIa型が最も多い。

病因

グリコーゲン脱分枝酵素の欠損により、グリコーゲンの分解が障害され、組織にグリコーゲン限界デキストリンが蓄積する。原因遺伝子は染色体1p21.2に存在するAGLで、ホモ接合または複合ヘテロ接合の変異により発症する。

症状

空腹時の低血糖症状、人形様顔貌、成長障害、肝腫大。糖原病I型に比し症状は軽度である。IIIa型とIIId型では経過中に筋力低下や心筋症をきたす。IIIa型とIIId型では運動発達遅滞が見られることやミオパチー症状が進行することがある。筋症状の出現時期は様々である。

診断

治療

低血糖を発症する急性期にはただちにグルコース静脈内投与を行い、状態に応じて持続点滴に移行する。代謝性アシドーシスを補正する。低血糖の予防には頻回の食事摂取や必要に応じて、夜間の持続注入を行う。糖原病治療用ミルク、非加熱のコーンスターチを投与する。乳酸、果糖、ショ糖、ガラクトースの摂取を制限する。IIIa型とIIId型の心筋症に対して、薬物治療などを行う。

予後

肝腫大や低血糖、成長障害が主症状は年齢とともに改善するが、肝腫大消失後に、肝に良性の腫瘍(腺腫)や、まれに肝がんが発生することがある。IIIa型, IIId型の成人期には筋力低下が進行し、歩行不能となる症例がある。IIIa型、IIId型では、心筋肥大が見られ、肥大型心筋症や心不全の症状が出現することがある。不整脈にも注意が必要である。

成人期以降

ミオパチー症状が進行し、QOLが低下することがある。肝硬変や肝腫瘍の有無、心機能、不整脈の評価を定期的に行う必要がある。肝癌発生のリスクが高い場合、肝移植が選択される場合がある。

参考文献

1)Kishmani PS, et al:Glycogen storage disease type III disgnosis and management guidelines. Genet Med 2010;12 446-463.
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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