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グリコーゲン合成酵素欠損症(糖原病0型)

ぐりこーげんごうせいこうそけっそんしょう(とうげんびょうぜろがた)

Glycogen synthase deficiency

告示番 号64
疾病名グリコーゲン合成酵素欠損症(糖原病0型)
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概要・定義

グリコーゲン合成酵素欠損症(糖原病0型)は、UDP-グルコースを基質とし、グリコーゲンのα-1,4結合にグルコース分子を付加しグリコーゲン鎖を伸長する酵素、グリコーゲン合成酵素の欠損症で、組織のグリコーゲンが欠損もしくは著しく低下する常染色体性劣性遺伝性疾患である。肝グリコーゲン合成酵素欠損症(糖原病0a型)と筋グリコーゲン合成酵素欠損症(糖原病0b型)がある。

疫学

糖原病0a型は20例ほどの報告があるのみのまれな疾患である。糖原病0b型もまれな疾患であり、本邦の1症例を含み、3家系5症例の報告がある。

病因

原因遺伝子は、糖原病0a型は肝組織のみに発現するglycogen synthase2遺伝子(GYS2 )で、染色体12p12.1に存在し16のエクソンから成る。糖原病0b型はユビキタスに発現するGYS1であり、19q13.33に存在し16のエクソンから成る。それぞれの遺伝子のホモ接合または複合ヘテロ接合の変異により発症する。

症状

糖原病0a型では、空腹時にはケトン性低血糖が生じ、食後には高血糖、高乳酸血症、高トリグリセリド血症が生じる。低血糖は軽度または無症状のこともあるが、長時間の飢餓で、けいれんや意識障害などの低血糖症状が起こりうる。肝腫大はない。糖原病0b型では、骨格筋や心筋のグリコーゲンが枯渇することにより、心臓の運動許容能が低下し、骨格筋の運動不耐が生じる。けいれんや失神、突然の心停止が生じうる。

診断

治療

糖原病0a型の治療は頻回に食事を摂取し、低血糖、ケトーシス、乳酸アシドーシスを防ぐことである。コーンスターチ療法も有効である。糖原病0b型では運動制限が必要となる。運動不耐、けいれん、心臓の運動許容能に対する確立された治療法はない。

予後

糖原病0a型では空腹時の低血糖は成長とともに軽減することが多い。低血糖、ケトーシス、乳酸アシドーシスを予防することで発育障害や低身長が改善する。認知障害や発達遅滞が生じることがある。肝線維症や腎機能障害の報告はない。糖原病0b型の報告された3家系5例のうち3例が8歳から12歳で突然の心停止により死亡している。

成人期以降

糖原病0a型では、年長者でも長時間の飢餓や、病気や妊娠時に低血糖症状が顕性化することがある。糖原病0b型では突然死が起こりうる。

参考文献

1) Kollberg G, , et al: Cardiomyopathy and exercise intolerance in muscle glycogen storage disease 0. N Engl J Med 2007.;357:1507-1514.
2) Orho M, et al: Mutations in the liver glycogen synthase gene in children with hypoglycemia due to glycogen storage disease type 0.J Clin Invest. 1998;102:507-515

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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