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フマラーゼ欠損症

ふまらーぜけっそんしょう

Fumarase deficiency

告示番 号91
疾病名フマラーゼ欠損症
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概要・定義

フマラーゼ欠損症は、フマル酸をリンゴ酸に変換するTCA回路の主要構成酵素であるフマラーゼの遺伝的欠損に基づく先天代謝異常症である(PDHCの項の図参照)1)。脳奇形、精神運動発達遅滞、けいれんなどの重篤な中枢神経症状と、フマル酸の尿中排泄増加を特徴とする。

疫学

世界で46例が報告されているのみの、非常に希な疾患である。

病因

フマラーゼは細胞質とミトコンドリアに2つの酵素が存在するが、遺伝子は1q42.1に存在する1つのみで2つの酵素はN末端の数個のアミノ酸が異なるだけであり、報告された患者はすべて2つの酵素の活性がともに欠損している。

症状

症状は、(時に胎生期からの)脳奇形、精神運動発達遅滞、筋緊張低下、顔面奇形、けいれん、発育障害、哺乳障害などの脳神経・筋症状が中心である。血球減少、消化管奇形、肝腫大、視覚障害などの合併は報告があるが、心筋症や心伝導障害の報告はない。高乳酸血症や高アンモニア血症などによる代謝性クライシスはまれである。中枢神経症状と尿有機酸分析でのフマル酸著明増加(正常対照の15~1,000倍)が特徴である。

診断

治療

対症療法のみ。

成人期以降

成人期への移行症例は報告されていない。

参考文献

1) 伊藤道徳.フマラーゼ欠損症.別冊日本臨床 新領域別症候群シリーズ No.19 先天代謝異常症候群(第2版)上-病因・病態研究、診断・治療の進歩- 日本臨床社 大阪 2102; 447-450
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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